働く広場2022年2月号
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働く広場 2022.2者差別禁止指針の13項目について、「取り組んでいる」の回答が最も多かったのは「定年」(83・7%)であり、次いで「労働契約の更新」(82・8%)でした。「まだ取り組んでいない」の回答が最も多かったのは、「募集」(15・2%)であり、次いで「福利厚生」(13・4%)でした。【障害者の状況】勤務する会社に「差別がないと思う」の回答が最も多かったのは、「募集及び採用」(68・1%)であり、次いで「退職の勧奨」(66・1%)でした。「差別があると思う」の回答が最も多かったのは、「定年」(28・9%)であり、次いで「福利厚生」(25・4%)でした。【企業と障害者の比較】企業が「取り組んでいる」上位5項目に対して、障害者が「差別がないと思う」上位5項目は、「賃金」のみ一致していました。一方、障害者が「差別があると思う」上位5項目では、「定年」、「労働契約の更新」、「教育訓練」、「配置」の4項目が該当し、企業の取組と障害者の認識に差が見られました。(2)合理的配慮の提供(職場環境整備、介助・雇用管理、通勤に関する13項目)【企業の取組】採用後の合理的配慮について、回答企業のうち、障害者雇用企業(1067社)を対象に集計したところ、「取り組んでいる(一部取組も含む)」の回答が最も多かったのは、「作業の負担を軽減するための工夫」(62・6%)であり、次いで「通院・体調等に配慮した出退勤時刻・休暇・休憩」(58・4%)でした(図1)。 2005(平成17)年11月に「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」、2015年3月に「障害者差別禁止指針」および「合理的配慮指針」が策定されました。障害者職業総合センター研究部門では、これらのガイドラインと指針が職場においてどのように実施され、どのような課題があるのか、障害者の継続雇用や能力発揮のための環境づくりにつなげることを目的として、企業および在職障害者へ調査を行いました。本稿ではその一部について紹介します。(1)企業に対する調査(アンケート調査、ヒアリング調査) アンケート調査は、従業員数40人以上の企業5000社を対象に調査票を郵送し、1442社から回答がありました。ヒアリング調査は、アンケート回答企業のうち、合理的配慮の提供が13項目中3項目以上あり、かつ労働時間の配慮事例がある企業のなかから産業のバランスを見て5社を選定したほか、合理的配慮事例の少ない高次脳機能障害、難病を有する者を雇用している企業のなかから7社を選定し、合理的配慮の工夫点などを詳細に把握しました。(2)在職障害者に対する調査(アンケート調査) 障害者団体および障害者雇用企業の協力を得て在職障害者に調査を依頼しました。①Web調査、②郵送調査を実施し、1866人から回答がありました。(1)障害者に対する差別の禁止(障害者差別禁止指針の13項目)【企業の取組】回答企業のうち、障害者雇用企業(1067社)を対象に集計したところ、障害障害者職業総合センター研究部門 事業主支援部門★調査研究報告書(No.157)は、下記ホームページからダウンロードいただけます https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku157.htmlプライバシーガイドライン、障害者差別禁止指針及び合理的配慮指針に係る取組の実態把握に関する調査研究1 はじめに2 調査の内容3 調査結果の概要28

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