働く広場2022年2月号
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働く広場 2022.2る」上位4項目が一致していました(図1、図2)。一方で、企業が「取り組んでいる」上位5項目のなかには、障害者が「必要だが配慮を受けられていない」上位3項目(「疲労・ストレス等に配慮した福祉施設・設備」、「障害者相談窓口担当者の配置」、「作業の負担を軽減するための工夫」)も含まれていました。(3)障害者の把握・確認【企業の取組】障害者の把握・確認について課題を感じることとして、回答企業のうち、障害者雇用の経験のある企業(1170社)のなか【障害者の状況】「配慮を受けている」の回答が最も多かったのは、「通院・体調等に配慮した出退勤時刻・休暇・休憩」(49・0%)であり、次いで「作業の負担を軽減するための工夫」(38・6%)でした(図2)。「必要だが配慮を受けられていない」の回答が最も多かったのは、「疲労・ストレス等に配慮した福祉施設・設備」(14・0%)、次いで「障害者相談窓口担当者の配置」(12・3%)でした。【企業と障害者の比較】企業が「取り組んでいる」上位5項目のうち、障害者が「配慮を受けていから無回答を除いた622社を対象に集計した結果、最も多かったのは「労働者全員に対して申告を呼びかけているが、情報を伝えるのが難しい」(37・5%)であり、次いで「業務上支障が明らかな労働者がいるが、本人からの申告がない」(36・7%)でした。【障害者の状況】障害の把握・確認について感じていること(自由記述227件)を質的に分類したところ、障害の理解や説明に関する記述(周囲にどのように伝わっているかわからない、障害が周知されていない、障害が理解されていないなど)が挙げられました。  本調査により得られた企業の取組と障害者の状況をふまえ、障害者の継続雇用や能力発揮のための環境等を整理すると、①コミュニケーションの工夫(日常の会話を通した相談しやすい関係づくり、個別面談による相談窓口の明確化、社内外の支援者の活用など)、②社員の障害理解(障害を伝える範囲を決め、上司や同僚へ障害状況および配慮事項を説明する、社内外の支援者が社員への啓発および支援を行うなど)が挙げられます。障害者の継続雇用や能力発揮に必要な「働きやすい職場づくり」のためには、企業と障害者が障害の周知範囲や合理的配慮について話し合っておくこと、企業は障害者の個別状況に応じた合理的配慮の申出方法を用意することなどの取組が必要であると考えます。作業の負担を軽減するための工夫通院・体調等に配慮した出退勤時刻・休暇・休憩通院・体調等に配慮した出退勤時刻・休暇・休憩作業の負担を軽減するための工夫職場内移動の負担を軽減するための設備職場内移動の負担を軽減するための設備疲労・ストレス等に配慮した福祉施設・設備疲労・ストレス等に配慮した福祉施設・設備障害者相談窓口担当者の配置作業を可能にするための設備取り組んでいる(一部取組も含む)配慮を受けているニーズがあるが取り組めていない必要だが、配慮を受けられていないニーズがないので取り組んでいない必要がなく、配慮を受けていない無回答無回答わからないわからない◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)4 まとめ002020404060608080100100(%)(%)2.58.02.011.84.07.64.414.03.38.13.08.38.33.310.810.81.88.88.810.710.79.79.73.83.829.431.834.335.944.847.544.441.652.048.62.42.92.12.92.22.62.22.62.32.962.649.058.438.647.233.645.231.138.530.7 図1 【障害者雇用企業】合理的配慮に「取り組んでいる」上位5項目(n=1,067)図2 【在職障害者】「配慮を受けている」上位5項目(n=1,866)29

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