働く広場2022年3月号
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働く広場 2022.3プしてきました。今日は日ごろの業務の力量を試されたと思います」と伝えてくれた吉田さんは、銀賞入賞を果たした。 知的障害のある選手が参加する「木工」(5時間)は、「蓋ふた付つき木箱」の製作。のこぎり・のみ・かんななどの手工具を使って、家具製作の基本作業を正確に進めることがポイントだ。特別支援学校に通う田た島じま立りつ貴きさん(栃木県)は2回目の全国大会。競技後、「前回は、ふた部分と本体がうまくかみ合わなかったのが、今回はできました。ただ、すき間ができた部分もあったのが反省点」とふり返る。同行した先生は「成果を出せたなかでも、自分で課題を見つける向上心は立派です」と、成長ぶりに目を細めていた。 「縫製」(4時間)の競技課題は、エプロンの製作。アイロンやミシンを駆使し、あらかじめ裁断された9つのパーツから完成させていく。各工程での適切な技術・判断力が必要だ。西にし岡おか愛あい織りさん(滋賀県)は、全国大会初出場。入社3年目になる大手メーカーの特例子会社で事務を担当しているが、縫製の腕を認められ、ときおり制服の裾上げ業務なども任されているそうだ。競技後、「ダーツやポケットのまち部分などがむずかしかったですが、やり遂げました。今後の仕事にも活かしていきたいです」と話してくれた。られる。歯科技工所に勤める吉よし田だ勇ゆう己きさん(東京都)は、歯科技工士の資格取得後すぐにアビリンピックに挑戦し始め、4回目の全国大会。「年々ステップアッ●技能デモンストレーション 「OA機器等メンテナンス」 1日目の技能デモンストレーションは「OA機器等メンテナンス」。オフィス情報化支援事業を手がける企業の特例子会社「リベラル株式会社」(東京都)の10人が、業務の一部を実演した。「リファイニング作業」では4人1組で中古コピー機1台を細かい部分まで清掃、「リペア作業」ではコピー機内部のパーツを分解して故障原因を探しながら部品交換する。担当者は「重度の人も含め、全員が知的障害のあるメンバーです。いまでは機器の最終確認まで自分たちでやっています。彼らの無限の可能性を広く知ってほしいですね」と話していた。 ●技能デモンストレーション 「クラフトテープかごバッグ製作」 2日目の技能デモンストレーションは、「クラフトテープかごバッグ製作」。長野県内の多機能型事業所「やまゆり共同作業所」に通う3人が、かごづくりの腕を披露してくれた。取り組んだのは、取っ手つきの小物入れと、A4サイズが入る大きさの中かごの2つ。きれいな形に仕上げるための技術が必要で、色の組「木工」田島立貴さん(栃木県)「縫製」西岡愛織さん(滋賀県)技能デモンストレーション職種「OA機器等メンテナンス」技能デモンストレーション職種「クラフトテープかごバッグ製作」「歯科技工」銀賞、吉田勇己さん(東京都)月1219日(日)8

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