働く広場2022年3月号
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座公談開会「働く広場」「働く広場」松爲 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、在宅勤務や交代制勤務の導入など、私たちの働き方に大きな変化をもたらしました。これは、障害のある人についても例外ではありません。 そこで本日は、障害者雇用に取り組んでいる企業と、障害者を支える支援機関の方をパネリストに迎え、コロナ禍が障害者雇用に与えた影響についてお話しいただき、今後の障害者雇用の可能性について考える機会にしたいと思います。 初めにサントリービジネスシステム株式会社の平岡さんに、同社の障害者雇用の取組みとコロナ禍の対応についてお話をうかがいたいと思います。平岡 サントリービジネスシステム株式会社の平岡と申します。サントリーでは、2015︵平成27︶年に知的障害のある方の採用を開始し、2018年に「コラボレイティブセンター︵通称コラボセ︶」を立ち上げ、知的障害者がもっと人ひとりが「今年1年がんばったことと来年がんばりたいこと」を発表し、オンラインで参加した社員からコメントをもらっています。社員からパートナーに感謝の言葉が寄せられるなど、コラボセのパートナーが職場風土によい影響をもたらし、会社にとってなくてはならない存在になっていることを実感できる機会です。平岡 順調に活動を拡げてきたコラボセでしたが、2020︵令和2︶年4月の緊急事態宣言発令で全社的に出社が禁止となった際は、本当に困りました。コラボセで行う業務は、出社が必要なものも輝き、働きがいを持てる会社を目ざして活動を続けています。 現在コラボセには、障害のある社員︵以下、「パートナー」︶26人とサポートスタッフ7人が所属しています。おもな業務の内容は、グループ企業から依頼される事務や営業活動支援などです。サントリーでは、創業者の「やってみなはれ」という言葉に基づくチャレンジ精神が大切にされているのですが、この言葉に倣ならい、「どんな依頼も断らず、新しい業務にどんどんチャレンジしていくこと」が私たちのポリシーです。その結果、設立以降ずっと右肩上がりで活動領域を拡げ、現在はグループ26社から、200種類を超える業務を受託しています。 同時に、私たちコラボセでは、仕事の受託先となる社員に、パートナーのことを知ってもらう機会をたくさん設けています。例えば、年1回、年末に行う「コラボセ成果発表会」では、パートナーの一知的障害者がもっとも輝ける会社を目ざして緊急事態宣言中も在宅で就業を継続松爲信雄さん働く広場 2022.3この座談会は、2021(令和3)年12月7日(火)に、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター(千葉県千葉市)で開催された、「働く広場」公開座談会の採録です。令和3年度「働く広場」公開座談会~新しい働き方を問う~コロナ禍を乗り越えて22

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