働く広場2022年3月号
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持ち込んでしまう不安もあったので、家でもできる仕事をためて、週1~2回テレワークができるようにスタッフと調整しました。 テレワークをしていて、わからないことがあったときに、すぐに電話がつながらなくて困ることがありましたが、そのときはできる仕事を優先して行いました。自分にもテレワークができるという自信がつき、むしろテレワークの方が集中できてよいと感じることもありました。松爲 ありがとうございました。サントリービジネスシステムのテレワークの取組みは、コロナ禍を逆手に取って、事業の拡大と障害のある社員の成長につなげた好事例になりそうですね。続きまして、株式会社リーガルビジネスサポートの雨宮さんにお話をいただきたいと思います。雨宮 リーガルビジネスサポートの雨宮と申します。当社は靴の製造・販売を手がける株式会社リーガルコーポレーションの特例子会社として2019年に設立され、「業務サポートチーム」、「物流サポートチーム」、「店舗サポートチーム」の三つのチームに分かれてグループ各社から業務を受託しています。 本社にある「業務サポートチーム」では、障害のある社員12人が社内清掃や事務などの業務を行っています。最近特に増えている業務が、靴の型崩れ防止用のシューパッドを作成する作業や、靴の中敷きに両面テープを貼りつける作業です。業務サポートチームでは、毎日必ず1時間、全員でこの作業を行い、生産子会社に納品しています。 「物流サポートチーム」は5人が指令が出されました。これに対して、出社を前提とした作業を業務の中心とする当社では、非常に対応に困りました。結果として、障害のある社員を全員自宅待機にする判断をしました。自宅待機の実施にあたっては、ご家族や支援者などとも連絡を取り、ご理解をいただくよう努めました。シューパッドや中敷きの納品などの、緊急事態宣言中も続けなくてはならない作業については、健常者のスタッフが行いました。自宅待機中は、生活リズムを崩さないように時間を決めて、毎日10時~16時に課題に取り組んでもらいました。課題の内容は、いままでの仕事の棚卸しとして、「私の現在の仕事の一覧表」や「作業工程表」の作成です。この作業を行ってもらった背景には、各自がだれから仕事を依頼されているのか、どんな仕事をしているのかを、私たちスタッフが正確に把握できていなかったという実情があります。自宅待機中にこの課題にしっかりと取り組んだ成果として、作業内容の不明点が確認でき、作業指示所属し、商品センターにおける入出庫作業を担当してもらっています。 「店舗サポートチーム」は5人が所属し、アウトレット各店で1人ずつ、店舗清掃や店内消毒、試着用の靴下の洗濯などの業務を行っています。 最近になって、ようやく法定雇用率を達成できるようになり、2021年の10月現在、身体障害のある社員が3人、知的障害のある社員が9人、精神障害のある社員が10人と、合計22人の障害のある社員が勤務しています。雨宮 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、親会社の主力商品であるビジネスシューズなどの売り上げが落ち込み、全社的な業績悪化となりました。そのため、一時は当社でも、障害者の採用活動を停止しておりました。また、2020年4月の緊急事態宣言発令により、グループ全社に時短勤務の導入や在宅勤務の推奨などの緊急事態宣言中は、自宅待機を実施座公談開会「働く広場」「働く広場」三つのチームで業務を行う雨宮祥浩さん働く広場 2022.324

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