働く広場2022年3月号
29/36

古川 支援機関にも、在宅勤務にも出社にも対応できるようなプログラムを用意していくことが求められると思っています。また、企業においても、有事のときには在宅勤務ができるような体制づくりが必要になると思っています。平岡 個人の特性や希望により、多様な選択肢から働き方を選べるようにしたいと思います。テレワークを取り入れるにしても、毎日というわけにはいかないと思うので、両方に対応できるような人を育成していく必要があります。松爲 在宅勤務も出社も両方ありうるという前提のもと、仕事をつくり出していくことが必要になりそうですね。では、ここからは、会場にいるみなさんの質問を受けつけたいと思います。質問者① 千葉県内の高等特別支援学校にて教員をしています。コロナ禍で、企業での仕事内容も大きく変わってきていると聞きますが、これから就職を目ざす生徒に求めている能力があればお聞かせください。平岡 企業によって違いがあると思いますが、当社では、テレワークにも対応できるパソコン業務が増えました。しかし、大切なのはスキルではなくて、どんな仕事であってもチャレンジしようとする成長意欲や変化対応力だと思います。古川 生活リズムなどの基盤をしっかりと整え、変化への対応に耐えられるだけの人材育成をする当社では、準備・実習から採用までに、約半年の時間をかけ、お互いの理解を深めることを大切にしています。平岡 当社では、インターンシップを経て、特別支援学校から採用しています。採用プロセス自体に大きな変化はありませんが、最近は、「インターンシップをさせてもらえる企業が少ない」という特別支援学校の先生方の声を受け、普段以上にインターンシップの受入れを強化しています。業務を拡大しているため、採用活動には力を入れています。古川 一度はストップした採用活動が再開している動きはありますが、企業側に十分な準備が整っていない状況があると感じています。松爲 みなさんのお話を聞いて、企業や支援機関は、コロナ禍を必ずしもマイナスの面だけでとらえていないことを感じました。この状況を肯定的にとらえることで、“禍転じて福となす”という希望を持って、本日の座談会を閉会したいと思います。ありがとうございました。ことが大切だと思います。松爲 大切なのは、スキルよりも、学ぶ力となりそうですね。そのために、学校教育では“学ぶ喜び”を身につけてもらいたいと思います。質問者② テレワークを実施した、サントリービジネスシステム様にうかがいます。テレワーク中のオンオフの切り替えについて聞かせてください。平岡 一日の時間割を立て、行動してもらうことで対処しました。また50分作業をしたら10分休憩することも指導しました。保護者の方が見守って声がけしてくださったことにも助けられていたと思います。質問者③ 東京都の江東区で就労移行支援をしております。コロナ禍における採用活動で、むずかしくなったことや変化したことがあれば、お聞かせください。雨宮 緊急事態宣言中は、見学・実習・面接などの採用活動は一切できませんでした。その後、再開された採用活動については、コロナ前と大きな変化はありません。働く広場 2022.327

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る