働く広場2022年3月号
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働く広場 2022.3は競技後、「これからも全力で仕事に取り組みたいです」と意欲を見せていた。 「喫茶サービス」(約60分)は、会場内の模擬喫茶店で、チームごとに接客サービスを提供する。全国大会初出場の斉さい藤とう麻ま衣いさん(岩手県)は、勤務先のカフェの帽子とエプロンを身につけて臨んだ。カフェを運営する障害福祉サービス事業所の関係者は「普段の業務と違う部分が多い」と心配しつつ、「全国レベルの高さを知るよい機会になりました」と話す。斉藤さんは競技後、「緊張もありスムーズに言葉が出てこなかったのが反省点。今後はほかの競技にも挑戦したい」と語っていた。高等支援学校3年生の原はら珠しゅ莉りさん(山梨県)は、今回唯一の県代表。県大会で複数の種目が開催されたが、コロナ禍の影響もあり全国大会辞退者が相次いだからだ。母親によると、原さんは今回のアビリンピック出場を機に、念願のベーカリー店への就職を決めたそうだ。 「ワード・プロセッサ」(計1時間80分)は、和文文書の作成(80分)と英文文書の作成(60分)で腕を競う。速くて正確なタイピングスキルのほか、ワードの各種機能を使いこなす技術が試される。岩いわ切きり洸こう樹きさん(宮崎県)は、IT系の特例子会社でWEB広告の審査などを担当。職場の上司は「パソコンスキルは十分に指導者、仲間、そして家族への感謝を胸に、全国大会という晴れの舞台で、日々培った技能を最大限発揮し、職業や地域、障害の有無にかかわらず、お互いに競い合うことを誓います」と声をそろえて表明した。2人に対し、東京都立永福学園と東京都立水みず元もと小こ合あい学園の生徒2人が、選手たちへの応援メッセージとともに花束を渡した。 ●製品パッキング/喫茶サービス/ ワード・プロセッサ 「製品パッキング」(90分)は、商品を梱包するための箱や緩衝材の組立てと、それぞれの組込み作業を行う。梱包作業では2種類の緩衝材の組立て・結束、段ボール製の小箱・中箱・化粧箱の組み立て後に、それを大きな外箱に組み込んだものを4箱つくる。全国大会3回目の波は多た野の将しょう平へいさん(岐阜県)は、就労継続支援B型事業所で農業にかかわっている。同行していた母親は「自宅で練習してきましたが、今日の競技で初めて制限時間内に終えられました」と驚いていた。波多野さんは「時間内にでき、楽しかったです」と笑顔で話した。佐さ保ほ敬けい太たさん(大分県)は、大手機器メーカーの特例子会社に勤務し、50種以上の業務をこなし活躍している。職場の上司は「多くの社員がアビリンピックで多様な種目に挑戦することで、仕事でのスキルアップや職域拡大につながっています」と効果を説明する。佐保さん「ワード・プロセッサ」岩切洸樹さん(宮崎県)「喫茶サービス」原珠莉さん(山梨県)「喫茶サービス」斉藤麻衣さん(岩手県)「製品パッキング」波多野将平さん(岐阜県)「製品パッキング」佐保敬太さん(大分県)競技紹介選手・関係者の声(土)月1218日5

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