働く広場2022年3月号
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働く広場 2022.3差、表面性状などを規格に沿って記入できること、課題の機能を理解しモデリングができることなどが求められる。今回は2人が挑戦した。 「電子機器組立」(4時間)の競技課題は、「省エネコントローラーの組立」。ポイントとなる「はんだ付け」は、いまも電子機器の試作・改良といった開発作業を中心に必要とされる大事な技術だ。全国大会出場3回目という大手メーカー勤務の松まつ山やま雄ゆう樹きさん(岡山県)は、はんだ付けをきれいにする努力をしてきたそうだが、競技後は「時間ギリギリだったので、配分を考えたい」との感想。結果は初の銅賞入賞だった。国立職業リハビリテーションセンターで訓練中の並なみ木き耕こう作さくさん(埼玉県)は、書面で「障害があっても、パソコン技術などすばらしい能力を持つ人がたくさんいます。みんなが能力を発揮できる場所が増えたらいいと思います」と伝えてくれた。●歯科技工/木工/縫製 「歯科技工」(5時間)の今回の競技課題は、かぶせものなどの原型と部分入れ歯の原型を製作するというもの。自然感を持たせながら機能を発揮できるよう小道具と指先によって細かい造作をほどこす作業は、多くの専門知識と技量が求めに通い、データ管理やホームページ作成などを手がける。竹田さんは、前日の記憶が残りにくく苦労も多かったが、徐々に物事を覚えられるようになっているそうだ。向さんはプログラマーだが、デザインにも興味があり挑戦。同行していた事業所の指導員も全国アビリンピックの経験者で、「アビリンピックを経て就職した人もいますし、一人でも多く全国大会に出場させたいです」と話していた。向さんは銀賞を受賞した。●パソコン操作/機械CAD/ 電子機器組立 視覚障害のある選手が参加する「パソコン操作」(90分)は、パソコン画面情報読み上げソフトや画面表示拡大ソフトなどの支援機器を活用しながらパソコン操作技能を競う。中なか島しま弥や生よいさん(京都府)は、9年ぶりの全国大会。30年以上勤めた会社の定年退職を前に「最後に何か残したい」と、アビリンピックに挑戦したそうだ。「以前と比べ問題がバラエティに富んでいて苦労しましたが、よい経験でした」とふり返る。今後もフリーで仕事を続けながら、社会活動として高齢者向けのパソコン指導などを行っていくそうだ。 「機械CAD」(3時間10分)の今回の競技課題は、三次元CADツールを使ってバイス(万力)の部品図・組立図・立方分解図を作成するという内容。設計の際に意図された事項の寸法記入法、幾何公「写真撮影」銀賞、向伸さん(山形県)「電子機器組立」銅賞、松山雄樹さん(岡山県)「電子機器組立」並木耕作さん(埼玉県)「パソコン操作」中島弥生さん(京都府)「機械CAD」加藤あすみさん(静岡県)7

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