働く広場2022年4月号
12/36

働く広場 2022.4第1回第1回はじめてのはじめての  障害者雇用Ⅱ  障害者雇用Ⅱ 今号より、これから障害者雇用に取り組もうとしているみなさまへの入門企画として、「はじめての障害者雇用Ⅱ~障害のある人が働きやすい職場づくり~」を連載します。 第1回は、あおば社会保険労務士・精神保健福祉士事務所代表の貝沼春樹さんに、障害者雇用における職場環境整備などについてご執筆いただきました。あおば社会保険労務士・精神保健福祉士事務所 代表特定社会保険労務士、精神保健福祉士、訪問型職場適応援助者貝かい沼ぬま春はる樹きクローズクローズアップアップ 第1回は、「はじめての障害者雇用Ⅱ〜障害のある人が働きやすい職場づくり〜」について、社会保険労務士としての雇用側の視点と、精神保健福祉士・訪問型職場適応援助者としての支援者側の視点を合わせ、職場環境整備や安全対策、それらの進め方などについて述べてみたいと思います。①トップの意思表示と 会社全体の体制整備 障害者雇用を進めるうえでは、会社が本気になりトップが率先して発信し、その趣旨を全社に周知・理解させ、必要な体制をしっかりつくることが重要です。その理由は、例えば人事部門などの推進しようとする側の思いと、現場で実際に受け入れる側の気持ちにギャップがあると、大きな支障となることがあるからです。このような状況を避けるためには、会社トップからの強い意思表示と発信の継続が必要であり、推進する側は、その趣旨と会社全体の推進体制を明らかにしつつ、受け入れる現場にしっかり理解してもらうよう努めることがたいへん重要です。②職場と障害者本人の 現場での環境整備 障害のある人を受け入れるのは現場です。その現場において円滑に受け入れ、定着に導くためには、会社としてその障害のある人の障害特性・得意不得意・業務遂行能力・症状などのアセスメントに基づき、障害のある本人に合った仕事内容の選定と配置を行うことが最大のポイントになります。しっかりしたアセスメントがなければ、定着に導くことはむずかしいでしょう。アセスメントを基にしつつ、本人の意見を含め必要な合理的配慮について話し合い、配慮できること、できないこと、代替案などについて双方が合意できるよう取り組む姿勢が大切です。実際に行う合理的配慮の内容およびその必要性について、受け入れる職場が十分理解することで、障害のある人が定着しやすくなります。加えて定期的な面談などにより、労働条件を含めた合理的配慮の見直しを行うことも重要です。①安全(健康)配慮義務に留意 当然のことですが、従業員の障害の有無にかかわらず、事業主は、労働契約法第五条の安全(健康)配慮義務を負います。 障害のある人は、障害によって、体調が変化しやすい、注意力・理解力・記憶力などの認知機能や物理的な身体機能の障害によって対処する力が低下している、コミュニケーションがむずかしい、などの課題があります。したがって労働安全衛生法などの安全衛生に関する諸法令を遵守することは当然ですが、安全確保・事故防止のために要請される安全衛生のレベルは、個々の障害特性や症状をふまえて高く、きめ細かい対応が求められると考えられます。~障害のある人が働きやすい職場づくり~~障害のある人が働きやすい職場づくり~障害者雇用における職場環境整備安全対策1.2.10

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る