働く広場2022年4月号
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働く広場 2022.4※https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/index.html 現状では、危険作業や夜間業務に配置されるケースはあまりないと思われますが、配置場所・業務内容と求められる業務レベル・就業時間などの選定の際には、その業務により曝さらされるリスクを把握・評価して、いっそうの注意と配慮が必要になると考えられます。②その他 合理的配慮の一環としての、トイレ、駐車場、階段・段差、点字ブロック、業務の見直し、マニュアル化など、障害のある人が職場で活動を可能とする環境整備(バリアフリー・ユニバーサルデザイン、視覚化による構造化など)は、健常者にとってもよい結果をもたらします。安全性が高まることに加えて仕事がしやすくなり生産性が上がる効果があります。①専門家の支援を受ける はじめて障害者を雇用する場合は、最初から支援機関などの専門家の支援を受けることをおすすめします。そうすれば適切な障害者の雇用管理やその対応などに取り組みやすくなります。障害者雇用を進める場合、会社方針の立て方、経営決定、推進体制、社内周知、社員各層への教育研修など、たくさんのことを行う必要があり、これらを通して社内理解を深め、障害のある人の配置と業務内容の選定、職場の受け入れ体制の整備、本人および上司や職場の同僚への支援などを進めなければなりません。これを社内単独で進めることは容易ではないでしょう。 配置後も、障害のある人の体調変動や周囲の職場環境の変化、合理的配慮への対応、職場での人間関係の問題など、対応しなければならない課題が出てくることがあります。この場合も専門家に相談することができれば、適切・迅速な解決に導きやすく、担当者の負担も軽減することができるでしょう。 ここでいう専門家とは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の地域障害者職業センター(※)のほか、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、ハローワークの専門援助部門の職員やジョブコーチなどですが、障害者雇用のコンサルティング会社もあります。②本人と職場環境の 両面から考える 適切な障害者雇用を進めるためには、障害のある本人の問題だけに目を向けていては改善が進まないことがあります。本人は職場の各種の環境から影響を受け、職場は障害者から影響を受けるという関係であることを認識する必要があります。つねに本人とそれを取り巻く環境の両面から見て、その両面にアプローチしていくことが大事です。 障害者雇用は、試行錯誤の連続です。各種の資料などで成功事例が紹介されていますが、成功事例に至るまでには、その会社・職場での種々の試行錯誤とご苦労が裏にあります。しかし、試行錯誤をくり返しながらも続けていくと、障害のある人は予想以上の能力を発揮し、会社と職場に大いに貢献してくれます。 時間はかかりますが、専門家の支援を受け連携しながら、着実に進めていくことが大切です。出典:「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003kesx.html社内における 環境整備の進め方・ 障害者は社員と同じように仕事ができるの?結局私たちが助けないといけなくなるのでは?・ 企業は競争社会。厳しい環境で働くのはかわいそう。福祉が生活を支える方が障害者にとってもよいのでは?・ なぜ障害者を雇用しなければならないんだろう。・ 受入部署任せにせず、経営者、採用担当もサポートします。支援機関も相談にのってくれます。・ 最近では多くの企業が障害者を雇用し、十分戦力になっています。・ 福祉が支える時代から、障害者も職業的に自立する時代になっています。働く意欲を持った障害者も増えています。・ 障害者雇用は法律で企業に義務付けられています。女性登用、高齢者雇用と同様に障害者雇用は企業の評価指標の一つです。● 障害者雇用を進める理由が理解できた。● 今まで持っていた障害者のイメージとは少し違うようだ。● 周囲から協力が得られれば安心。● 障害者雇用は企業が取り組まなければならないことだ。障害者を受け入れてみよう!企業のトップが前向きなメッセージを伝える社 員<社内の不安><社内の変化><経営者の姿勢>社 員⬅⬅3.最後に4.11

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