働く広場2022年4月号
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働く広場 2022.4「シスメックスハーモニー株式会社」は、医療機器メーカー「シスメックス株式会社」の特例子会社だ。多様な人材が働きやすい環境を整備し、地域共生社会の実現を目ざす取組みとして、2017(平成29)年に設立され、2018年1月に特例子会社の認定を受けた。シスメックスハーモニーでは、血球計数検査などに使用される検査機器や周辺装置、臨床検査用試薬の生産に関するサポート業務を、親会社から請け負っている。現在、シスメックス株式会社加古川工場では、知的障害や精神障害などのある社員19人が働いており、検査機器で使用されるチューブの切断作業や保守パーツの袋詰めなどを行っている。またシスメックスハーモニーでは、作業ミスを防ぐための治具を自社で開発し、品質の向上に役立てているという。発達障害のある沖おき井い良よし昭あきさん(30歳)は、入社3年目。この日、新型コロナウイルス感染症PCR検査用の検体採取キットの袋詰めを行っていた。「やりがいがある仕事でうれしいです。今後、さまざまな仕事にチャレンジしたいと思っています。わからないことは、指導員に質問できるので安心です」と話す。沖井さんと同期入社で、精神障害のある沖おき英ひで計かずさん(50歳)は、「作業マニュアルがあり、次に何をすればよいかが明確にわかるので、働きやすいです。送迎バスもあり、通院休暇も取りやすく、助かっています」と語る。シスメックスハーモニーでは、2017年の設立以来、面談を重視し、長く働ける環境づくりに力を入れており、退職者はまだ一人もいないという。今後も、障害のある社員が安心して働ける環境づくりや関係会社からの仕事の切り出しなどを通して、さらなる障害者雇用の拡大を目ざしている。内周に沿ってチューブを巻くことでチューブが伸びず、正確に長さを測れるチューブの長さを測る検尺では、素材や長さに合わせて治具を使い分けるシスメックスハーモニーは、検査機器ユニットに必要な部品の生産を行っているここでは、病院などで使用される検査機器が生産されているシスメックス株式会社加古川工場柔らかく伸びやすいシリコンチューブの検尺には、円筒状の治具を使用する工場内、シスメックスハーモニーの作業エリア16

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