働く広場2022年4月号
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働く広場 2022.4千葉県浦安市でテーマパークを運営する「株式会社オリエンタルランド」(以下、「オリエンタルランド」)は、1994(平成6)年に初の子会社「株式会社舞浜コーポレーション」(以下、「舞浜コーポレーション」)を設立した。2009年、舞浜コーポレーションは、オリエンタルランドの特例子会社「株式会社舞浜ビジネスサービス」(1999年設立)と合併する形で特例子会社となった。従業員数は2021(令和3)年6月1日現在で463人、うち障がいのある従業員は313人(知的障がい260人、身体障がい37人、精神障がい16人)、障がい者雇用率は5社のグループ適用で2・71%だ。おもな業務内容は、テーマパーク運営に関するサポート業務、クリーニングおよびリネンサプライ業、マッサージ業、花か卉き栽培事業、理容業、郵便物などの受け渡しおよび発送代行業など19分野にわたる。2021年4月から代表取締役社長を務める一いち倉くら将すすむさんは、企業理念の「協働・協育・協挑」を大きな柱に、職場環境づくりを進めてきたと説明する。「障がいのある人もない人も『一緒に働く(協働)会社』の環境は、かなり整っていると実感しています。さらに『一緒に育つ(協育)風土』や『一緒に挑む(協挑)文化』の醸成にも、いっそう力を入れているところです」拠点となる職場は、オリエンタルランドとほかのグループ会社とともに、テーマパークと接する広大な敷地内にある。働く現場と取組みを紹介していきたい。舞浜コーポレーションでは作業に従事する障がいのある従業員を「キャスト」と呼んでおり、知的に障がいのある従業員をはじめ、精神に障がいのある従業員、身体に障がいのある従業員が活躍している。特別支援学校と連携した職場実習(2年・3年次に各二週間)や、障害者就業・生活支援センターなどからの求職者を対象にした実習(二週間)を経て採用される流れだ。人事部マネージャーの小こ原はら謙けん一いちさんは、「長年の連携のおかげか、いまでは先生や支援機関の担当者から『この方が合いそう』と推薦されることも多いですね」と話す。一方、採用担当の福ふく田だ麻ま由ゆさんによると、「面接時には家族の方にも同席してもらっていますが、家族と本人の気持ちが一致していないことがあります。なるべく本人の思いをくみ取りながらマッチングを見きわめます」とのことだ。入社後、キャストを多角的に支援するのが「ノーマライゼーション推進グループ」(以下、「NDG」)だ。NDGの主任で社会福祉士でもある西にし村むら友とも恵えさんが説明する。「まず実習時と入社時・入社直後に『従テーマパークを支える特例子会社キャストの支援体制★本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社舞浜コーポレーション様のご希望により「障がい」としています「従業員情報シート」を軸に支援。「専門性向上研修」も実施キャスト(障がいのある従業員)全員を正社員化、キャリアアップが可能に電子社内報やイベントで、従業員同士のつながりや交流の場を広げる123POINT株式会社舞浜コーポレーションのオフィス代表取締役社長の一倉将さん(左)、理事の中澤尊史さん(右)人事部の(左から)畑本賢治さん、小原謙一さん、福田麻由さんノーマライゼーション推進グループの西村友恵さん5

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