働く広場2022年5月号
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働く広場 2022.5第2回第2回はじめてのはじめての障害者雇用Ⅱ障害者雇用Ⅱ これから障害者雇用に取り組もうとしているみなさまへの入門企画として、障害のある人が働きやすい職場環境を整えるために、どのようなことを行っていったらよいのか、取組み方法や事例を紹介します。 第2回は、「視覚障害のある人」が働きやすい職場づくりについてお伝えします。クローズクローズアップアップ〈視覚障害とは〉 視力や視野に障害があり、日常生活や就労において不自由が生じる状態のことです。 視覚障害には「全盲」のほか、何らかの保有視力はあるが見えにくい「弱視」、見える範囲が限定されている「視し野や狭きょう窄さく」などがあり、人によってその症状はさまざまです。〈視覚障害のある人が従事する職業〉 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などが大部分を占めているのが現状ですが、IT技術や就労支援機器の発達と普及にともない、事務職に就く人も増えています。〈職場における配慮事項〉就労支援機器を活用するなど、業務を遂行しやすくするほかに、危険を避け、働きやすい職場環境に整えるための施設や設備の改善などが望まれます。 また、そのほかにも、「通勤方法」、「通勤時間」、「休暇」、「休憩」など、安全や健康上のリスクにかかわることについても、適切な配慮が望まれます。「特別養護老人ホームマイライフ徳丸」では、視覚障害のある加か藤とう健けん慈じさんが活躍しています。加藤さんはもともと、ショートステイの生活相談員として同施設に勤務していましたが、2014︵平成26︶年12月に、持病の心臓病が悪化し心肺停止状態になり、低酸素状態の影響により脳にダメージを受け、視覚に障害が残りました。「視力の低下がわかったときは、絶望的な気持ちになりました。全体的にぼんやりと霧がかった見え方で、小さい文字などは読めません。4か月ほど入院した後に退院したものの、この先、仕~障害のある人が働きやすい職場づくり~~障害のある人が働きやすい職場づくり~視覚障害の特性と配慮するポイント事例視覚障害視覚障害のある同僚を支えるために奮闘● 拡大読書器  ズーム式のカメラで書類などを写し取り、モニタ画面に拡大表示する装置● 画面読み上げソフト  パソコン画面の情報を音声で読み上げるソフトウェア● 点字ディスプレイ パソコン画面の情報を点字に変換して表示する機器● 画面拡大ソフト パソコン画面の一部または全体を拡大して表示するソフトウェア視覚障害者のための就労支援機器の例社会福祉法人北野会特別養護老人ホームマイライフ徳とく丸まる(東京都板橋区)◆事業内容 特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設サービス、ショートステイ、デイサービスセンター、ヘルパーステーションなどの居宅サービス、地域包括センターの受託、居宅介護支援事業などの運営◆従業員数 123人      (2022年3月現在)〈拡大読書器〉◀ 卓上型▼携帯型10

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