働く広場2022年5月号
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働く広場 2022.5首都圏を中心に、住宅リフォームやガス事業などを手がける「TAKEUCHI株式会社」は、障害者雇用に積極的に取り組み、さまざまな障害のある社員が働いている。なかでも、当機構が運営し、障害のある方々の自立に必要な職業訓練や職業指導などを体系的に提供している「国立職業リハビリテーションセンター」(以下、「国リハ」)において訓練を受けた修了生の活躍が目覚ましい。精神障害のある岩いわ渕ぶち良りょうさん(48歳)は、2019(平成31)年に「建築設計科建築CADコース」を修了、TAKEUCHI株式会社に入社し、首都圏ソリューション事業部の設計積算チームの一員として活躍している。岩渕さんは仕事について、「設計担当者が手書きした図面を、CADソフトを使いパソコン上の図面に描き起こしています。訓練で多くの課題をこなした経験が活きています」と語る。そんな岩渕さんが入社を決めたきっかけは、国リハの修了生が同社で多く働いていることだ。現在、岩渕さんと同じ部署にも修了生の先輩がいるため、心強さを感じているという。その先輩が、「建築CADコース」の前身となる「工業デザイン科インテリアデザインコース」を2013年に修了した大おお賀が博ひろ道みちさん(44歳)だ。大賀さんは、CADソフトを用いた図面の作成や現場調査などの業務を担当している。発達障害のある大賀さんは、「目の前のことに集中しすぎて、全体の進捗が滞ってしまわないように、リストをつくって流れをコントロールしています。国リハで学んだCADの作図技術を活かせることが、なによりのやりがいです」と語る。人事採用担当チームの渡わた邉なべ和かず也やさんは、「人事メンバーと国リハの見学などに行き理解を深めています。国リハは教育体制とフォロー体制に安心感があります。今後も障害者雇用率の達成だけでなく、当社とマッチする人財がいれば、積極的にともに働く仲間となっていきたいです」と語る。岩渕さんは、「よりよい」図面を「より早く」仕上げることを目標にしている「CAD」は「Computer Aided Design」の略で、パソコン上で設計や製図が行えるTAKEUCHI株式会社首都圏ソリューション事業部のオフィス岩渕 良さんTAKEUCHI株式会社16

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