働く広場2022年5月号
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そのためには、サブリーダーになりたいと思っています」という今後の目標についても、活き活きと語っておられた。 2人目の岩いわ﨑さき廉きよ嗣しさん(44歳)は、主治医に昨年8月から12月にかけて休職するように3回ほど指示されたという。しかし、アビリティワークスによるリワーク支援のおかげで、結局は休職せずに仕事が継続できているという感謝を述べておられた。瞑想して心を鎮めるマインドフルネスも必要なときは、毎日行っているという。業務中に手が震えたり、心が落ち着かなくなって困るときには、すぐに休憩室で30分ほど過ごして乗り切っているという。 3人目の小こ針ばり奈な々なさん(24歳)は、認定心理士の資格を持っている。将来は障がい特性などによって「困り」を抱えた方のキャリア支援をしたいとおっしゃっていた。「私はADHD(注意欠如・多動症)なので、それとうまくつき合うために、ヒヤリハットリストを使っています」という。自分の小さな失敗を省みて、そのとき自分はどのような状態で何を考え、何をしたのか、その結果どうなったか、といったことをメモに取り、それを日々更新していく。自身がこうした特性を把握し、それをマネージャーと共有し、自己理解と自己管理、業務管理に役立てているわけだ。自分ができること、得意なこと、つまずくことを職場で自然に分かち合えるようになりたいともおっしゃって この後、別室で3人の社員の方々(蓮田さん、岩﨑さん、小針さん)にインタビューをさせていただいた。 まず1人目は、蓮はす田だ伸のぶ樹きさん(49歳)である。蓮田さんは既婚とのことで、子どもが生まれたらご自身が学生時代の1年間を過ごされた中国の北京に連れて行ってあげたいとおっしゃっていた。「平常心を大切にしています」と、穏やかにおっしゃりながら、社内では「知的障がいのある社員2人の方を同僚として支えることにも働きがいを感じています」と熱意ある目で語っておられた。こうした社員同士によるナチュラルサポートがそれこそ「自然に」行われている様は、この会社の風通しのよさを示す一要因であると感じた。また、蓮田さんのご趣味は、大学時代の友人たちとのフットサルである。「コロナ禍前は、毎週土曜日に行い、汗を流しておりました。練習後、試合後の飲み会は、ストレス解消になっていました」。蓮田さんは、「これまでの自分の経験を活かし、オフィスチームのような若い方に教えていけるような仕事をもっとしていきたいと思っています。それは、実務だけでなく、仕事に対しての取り組み方などを含めてです。そして、会社にとって活躍できる人材を育てていきたいです。F化業務を担当されており、現在進行中で処理しなければならないダンボールの山を見せてくださった。この膨大な書類をPDF化できるものと、できないものに仕分ける作業を想像しただけでも目が眩くらみそうだ。お客さまであるグループ会社から届く書類を「仕分け・スキャニング・イレギュラー処理・報告」に分類し、まずは飛松さんご自身の基準で分類した後に、「チームタスクのため一人ひとりの考え・体調・特性に配慮して業務を進められるように、作業の分担などを決める」とのこと。また、毎朝の社内朝礼の際には、「仕分け作業でミスがあったことの共有・ルール変更の提示および指示」をチームメンバーに与えておられる。また、このコミュニケーションが一方通行にならないように、自分から意見を述べにくそうにしている社員の声を反映する努力をされている。ミーティングの場では、チームメンバーからの意見を求めるときに、「だれでも、といってもだれも手を上げてくれないので、名ざしで全員にうかがうように心がけています」とのことで、作業を「訓練ではなく、業務としてしっかり意識してもらうように」しっかりとしたプロ意識を根づかせるべく奮闘されているご様子がうかがえた。その傍らでは、24時間稼働しているパソコンが8台くらい並んでおり、まさにフル稼働という職場を見せていただくことができた。個別面接取材働く広場 2022.5アンケートの入力作業を行う蓮田さん岩﨑さんは映像関連業務を担当している管理部の蓮田伸樹さん事業部の岩﨑廉嗣さん24

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