働く広場2022年5月号
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働く広場 2022.5★コーディネーターとパネリストの方々の所属先・役職は開催日時点のものです★下記ホームページにて、パネルディスカッションの動画をご覧いただけます パネルディスカッションⅠ https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/29kaisai/panel1.html パネルディスカッションⅡ https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/29kaisai/panel2.htmlなどが、復職時・復職後の措置として「残業や勤務時間の制限」や「定期的な面談」などが実施されているとのことです。一方、休職制度等があると回答した企業のうち、医療機関、地域障害者職業センター、従業員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)実施機関などの「事業場外資源」を利用した経験がある企業の実数は、全体の約三分の一にとどまるという実態も報告されました。 次に、各パネリストから、それぞれの企業内の取組み事例が紹介されました。 片山氏からは、本社の健康管理センターに産業医や保健師、専従の相談員などからなる「EAP相談室」を設置し、体調不良者への気づきから、休職、リハビリ出社、復職後のフォローまでを、社外のEAP実施企業の利用も交えながら、細やかに支援している体制が紹介されました。 長田氏からは、人事担当者が中心となり、休職者の上司、産業医、障害者職業カウンセラーなどと協力体制を築いて、「休暇」、「欠勤」、「休職」、「復職」の各期間のプロセスで必要な支援やスケジュールの管理を行い、地域障害者職業センターが提供する「職場復帰支援(リワーク支援)」も活用しながら、休職者の復職を支える取組みが紹介されました。 後半のディスカッションでは、「休職期間中の定期的なコミュニケーションなどを通じて不安や悩みを相談できる場が重要」、「復職に向けて休職者ご本人と課題を共有して認識を合わせること、そのために支援機関が関わることも有効」などの意見が出されました。 当機構では、職業リハビリテーションに関する研究成果を周知するとともに、参加者相互の意見交換、経験交流を生み出すための機会として、「職業リハビリテーション研究・実践発表会」を毎年開催しています。2021(令和3)年度は、新型コロナウイルス感染症対策を考慮し、規模を縮小して現地開催するとともに、動画等を障害者職業総合センター(NIVR)のホームページに掲載しました。 今号では、パネルディスカッションⅠ・Ⅱの様子をダイジェストでお伝えします。 厚生労働省が実施している労働安全衛生調査の結果によると、近年、労働者のうち仕事や職業生活に関することで強い不安、ストレスを感じる方の割合は50%以上で推移しています。また、過去1年間にメンタルヘルス不調により休業した労働者がいる事業所の割合は、50人以上の事業所規模において約30%にのぼり、多くの企業がさまざまな課題に直面しながらメンタルヘルス不調による休職者の対応をしています。 パネルディスカッションⅠでは、東京障害者職業センター次長の佐さ々さ木きよしえ氏をコーディネーターとして、障害者職業総合センター研究員の村むら久く木き洋よう一いち氏、大成建設株式会社管理本部人事部健康管理センター(EAP相談室)専任次長の片かた山やま雅まさ裕ひろ氏、東京ガス株式会社デジタルイノベーション戦略部デジタルイノベーション総務グループの長なが田た史ふみ江え氏をパネリストに迎えて、休職者が職場復帰に至るまでの対策、復帰後の対策などについて検討しました。 はじめに、村久木氏から、所属する研究部門が行った「職場復帰支援の実態等に関する調査研究」の結果より、企業におけるメンタルヘルス不調による休職者への対応の概況などが紹介されました。それによると、多くの企業にはメンタルヘルス不調をともなう私傷病に適用可能な休職制度等があり、休職中の措置として「診断書の提出の指示」や「定期的なコミュニケーション」メンタルヘルス不調による休職者への対応~職場復帰支援を考える~ パネルディスカッションⅠ第29回職業リハビリテーション研究・実践発表会 Part2パネルディスカッションⅠ「メンタルヘルス不調による休職者への対応  〜職場復帰支援を考える〜」Ⅱ「職務創出とその支援  〜障害者雇用をしていくために〜」28

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