働く広場2022年5月号
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働く広場 2022.5◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室 (TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp) 障害者雇用を進める際に、多くの企業が「会社内に適当な仕事がない」ことを課題としてあげています。一方で、適当な仕事があったとしても、社内の障害者雇用に関する取組み方針の検討や理解が十分でなかったり、業務内容と障害者本人の適性が合わなかったりすると、結果として職場定着につながりづらいという実態も見受けられます。障害者雇用を継続していくためには、「職務創出」のみに着目するのではなく、経営戦略のなかでどのように障害者雇用を位置づけていくのかを考えていくことや社内の理解促進も重要です。 パネルディスカッションⅡでは、当機構職業リハビリテーション部次長の古ふる谷たに護まもる氏をコーことや、坂田氏ご自身が郡山工場の総務に在籍していた際に職域拡大や仕事量確保の課題に取り組み、BCCの郡山分室を立ち上げたことなどについて紹介がありました。また、同社の支援にあたったWEL'S TOKYOの堀江氏からは、職務創出にフォーカスするだけでなく、企業側の不安に寄り添って支援を進める姿勢や、仕事をよく知る社内の方に業務を切り出す視点を身に着けていただくことで職域を広げていったという支援内容の紹介がありました。 続いて鈴木氏からは、障害者雇用に対する理解を促進するために、まずは総務課内に数人の障害者を配置することでモデルケースとし、それによりつちかわれた障害者の支援スキルをもって、総務課から病院内の別部署に障害者を派遣するなどして職務を拡大していった事例が紹介されました。 市川氏からは、地域障害者職業センターが新規の雇入れに不安を抱える企業に対して提案する職務創出モデルの紹介のほか、雇用から定着までの支援内容が紹介されました。また、その後の職場定着がうまくいくためには、「社内に受入れ土壌ができていることが重要」との認識が示されました。 後半のディスカッションでは、「職務創出には社内の理解や協力が必須。それを促進するトップの方針表明等が非常に重要」、「支援機関には、企業ごとの考え方や姿勢を踏まえて、社内の体制整備までを見据えた支援を行うことが求められる」、「個々人の特性や意欲を伸ばしていくことも大切」など、効果的な職務創出のあり方について活発な議論がなされました。ディネーターとして、コマツ本社人事部ビジネスクリエーションセンタ主査の坂さか田た修しゅう平へい氏、特定非営利活動法人WEL'S副理事/就業・生活支援センターWEL'S TOKYOセンター長兼主任職場定着支援担当の堀ほり江え美み里さと氏、南東北グループ医療法人社団三成会新百合ヶ丘総合病院総務課課長心得の鈴すず木き崇たか志し氏、千葉障害者職業センター主幹障害者職業カウンセラーの市いち川かわ美み也や子こ氏をパネリストに迎えて、継続的な雇用に向けた職務創出について、企業と支援機関それぞれの立場から考えていきました。 はじめに各パネリストから、それぞれの取組み事例が紹介されました。 坂田氏からは、「自社内雇用」を基本方針として位置づけ、2008(平成20)年3月に本社人事部内に専門部署(ビジネスクリエーションセンタ:BCC)を設立し、支援機関と連携しながら全国の事業所へと雇用を拡大していった職務創出とその支援 ~障害者雇用をしていくために~ パネルディスカッションⅡ片山雅裕氏堀江美里氏佐々木よしえ氏古谷護氏長田史江氏鈴木崇志氏村久木洋一氏坂田修平氏市川美也子氏29

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