働く広場2022年5月号
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働く広場 2022.5 農林水産省は、農福連携に取り組んでいる優れた事例を表彰する令和3年度「ノウフク・アワード2021」受賞団体を発表した。グランプリには「京きょう丸まる園えん株式会社」(静岡県浜松市)と「さんさん山やま城しろ」(京都府京田辺市)の2団体が選ばれた。 農産物の生産・販売を手がける京丸園は、障害者と健常者の垣根をなくしたユニバーサル農業の取組みと、農作業や施設環境における障害者目線での工夫が評価された。作業分解の視点で作業方法や治具、機械を工夫するとともに障害者の個性にあわせた農作業形態などを変更し、特例子会社や福祉施設と連携しながら労働力の確保と障害者・高齢者の雇用拡大を進めている。 さんさん山城は、農業や加工品の製造販売などを展開する就労継続支援B型事業所。地域特産・地産地消・6次産業・地域活性化の取組みを推進し、ノウフクJAS認証などの取得、京野菜の普及啓発や地産地消への貢献が認められた。聴覚障害者らが宇治茶の手摘みやエビイモの手掘りなどに従事し、併設のカフェではメニューづくりから調理、接客まで障害者が中心となって行っている。 このほか、審査員特別賞に「社会福祉法人ゆずりは会菜の花」(群馬県前橋市)、「特定非営利活動法人立野福祉会」(新潟県佐渡市)、「株式会いながら、障害によって動かせる身体の範囲が異なることを想定し、部位別に作成。「目的別」(有酸素運動編、ストレッチ編、動作をスムーズにする運動編)、「部位別」(上半身、下半身、上肢)に分けて計8本で構成。視覚障害のある人向けには、言葉だけでイメージしやすい表現で解説し、聴覚障害のある人向けには、動きの要点を文字情報にて表示する。1本あたり約5〜15分。 福祉施設職員や障害者スポーツ指導員向けの「指導マニュアル」も作成。写真やイラストを用いて各運動の動き、身体の使用部位、身体の状態にあわせて配慮すべき事項などを記載している。https://tsad-portal.com/movie-exercise-program/ 「SOMPOホールディングス株式会社」(東京都新宿区)の子会社「株式会社プライムアシスタンス」(東京都中野区)が、視覚障害者向けのサービスとして、スマートフォンを通じて遠隔のコンタクトセンターから視覚情報を提供する「EアイコyecoSサポートupport」の販売を開始した。 アイコサポートは、スマートフォンで専用アプリを起動すると、遠隔のコンタクトセンターのオペレーターがスマートフォンのカメラ映像を確認し、利用者に対して周辺の視覚情報やGPS情報に基づく位置情報を知らせるというもの。利用例として目的地までの道案内、郵便物や書類社菜々屋」(徳島県徳島市)、「安芸市農福連携研究会」(高知県安芸市)の4団体、優秀賞7団体、フレッシュ賞6団体、チャレンジ賞6団体が選ばれた。同省ではホームページで受賞25団体の取組み事例なども紹介している。https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kouryu/220208.html 文化庁は、演劇などの芸術鑑賞を通じて障害への理解を深めてもらうため、車いすダンスや障害者で構成する劇団の小中学校での公演を増やす取組みを、2022(令和4)年度から本格化させる。障害のある児童・生徒も楽しめる字幕などを活用した公演も増やす。 文化庁はこれまで行ってきた「文化芸術による子供育成総合事業」に「ユニバーサル公演」を加え、障害者団体による演劇や音楽、字幕や音声ガイダンスなどを備えた演目を対象とし、2021年度は約50公演を実施。2022年度は約100公演とする計画で参加団体を募る。 「公益社団法人東京都障害者スポーツ協会」(新宿区)は、障害のある人たちが自宅や施設などで気軽に取り組める運動プログラムを動画で作成し、WEB配信を開始した。 このプログラムは、障害特性に沿った配慮を行芸術鑑賞で障害への理解促進文化庁「健康運動プログラム」動画配信東京視覚情報をスマートフォンで提供ノウフク・アワード2021農林水産省地方の動き生活情報国の動き30

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