働く広場2022年5月号
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編集委員のひとことミニコラム第12回テレワークとテレリハビリテーション筑波大学大学院・人間総合科学学術院リハビリテーション科学学位プログラム准教授 八重田淳※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は八重田委員が執筆しています。 ご一読ください。働く広場 2022.5の読み上げ、外出前の身だしなみチェック、自動販売機利用、分量計測の料理サポートなどをあげている。 利用時間は9〜17時(12月31日〜1月3日を除く)、利用料金は月額5500円(税込)、利用時間は毎月合計2時間まで。詳しくはウェブサイトで紹介している。https://eyecosupport.prime-as.co.jp/ 「大阪・京都こころの発達研究所葉よう」代表で、京都光華女子大学健康科学部講師の浜はま内うち彩あや乃のさんが、『発達障害に関わる人が知っておきたい「相談援助」のコツがわかる本』(ソシム刊)を出版した。本書では、「子ども編」と「大人編」に分け、発達障害の人や保護者などからの「よくある相談のケース」をあげながら、具体的な対応の仕方や返答のポイントを解説する。相談内容は「教育・経済・生活・就労」に関する領域。なかでも大人に関する相談への対応では、「向いている仕事を教えてほしい」、「ミスを減らしたい」、「障害をオープンにしたい」、「障害があるのに対応してもらえない」、「お金の使い方があらい」といったケースを取り上げている。A5判、192ページ、1760円(税込)。 「一般社団法人親なきあと相談室関西ネットワーク」代表理事で、税理士の藤ふじ原わら由よし親ちかさんが、『ダウン症の子をもつ税理士が書いた障がいのある子の「親なきあと」対策』(日本法令刊)を出版した。ダウン症のある子の親でもある藤原さんが、相続専門の税理士として、自身の経験もふまえた「親なきあと」の遺言や信託、利用できる制度、税金などの対策案をまとめた。「相続の基礎知識」、「対策の選択肢」、「対策のポイント」、「タイムリミットで考える子のライフステージ別にやっておくべき対策」などを、コラムも交えて詳しく紹介している。A5判、192ページ、1650円(税込)。 障がいのある人のテレワーク自体を、遠隔で支援するプロフェッショナルがいたらどうだろう。 テレワークに必要となる情報通信技術の準備をし、その使い方とテレワーク業務を教えながら援助し、テレワーク業務に関連する情報保障・安全保障・法令遵守等の疑問を解決し、専門的なコンサルテーションを事業所に提供できる人材。障がい特性に応じたテレワークの合理的配慮を定期的に確認修正し、雇用継続に必要な雇用管理業務を請け負う人材。 そんな人材がいたら助かるという事業所ニーズがあれば、それも一つのビジネスになり得るのではないか。「テレリハ・スペシャリスト」のような。情報通信技術に強い障害者職業カウンセラーやジョブコーチが遠隔で職業リハビリテーションサービスを提供できるという「遠隔職業リハシステム」が構築されれば、それも悪くない。アメリカやカナダの公認障害者雇用管理スペシャリスト(CDMS)の遠隔版というイメージだ。 こうして、思いつきで好き勝手なことを「編集委員のひとこと」として自由に呟いているわけだが、もし私が特例子会社の社長だったら、そんな便利な人材がいたら助かるだろうなと妄想させていただいた。テレワークとテレリハビリテーションの融合がいずれ当たり前になっている未来を想像しながら。 現在私が勤務する筑波大学は、Imagine the Future(未来を想え)という旗を掲げ、「開かれた大学」を目ざしているが、未来を「創造」するのはもっと楽しいかもしれない。ビジネス科学とリハビリテーション工学と遠隔職業リハビリテーションの掛け算で、Disabilityという言葉を無くしたい。そんな未来を想ってみたが、みなさんはいかがだろうか。本紹介『発達障害に関わる人が知っておきたい「相談援助」のコツがわかる本』『ダウン症の子をもつ税理士が書いた障がいのある子の「親なきあと」対策』31

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