働く広場2022年6月号
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働く広場 2022.6第3回第3回はじめてのはじめての障害者雇用Ⅱ障害者雇用Ⅱ これから障害者雇用に取り組もうとしているみなさまへの入門企画として、障害のある人が働きやすい職場環境を整えるために、どのようなことを行っていったらよいのか、取組み方法や事例を紹介します。第3回は、「聴覚障害のある人」が働きやすい職場づくりについてお伝えします。クローズクローズアップアップ〈聴覚障害とは〉 聴力になんらかの障害があるために、音が聞こえなかったり、聞こえにくかったりする状態のことです。障害の状態や程度は個人差が大きく、また、聴力を失った年齢や受けてきた教育の違いなどによって「発声・発語」ができるか、「読話」や「口話」、「手話」などの習得にも大きな違いがあり、適切なコミュニケーション方法や配慮事項は人によって異なります。〈職場における配慮事項〉 聴覚障害のある人は、健常者に比べて、情報の入手方法が少なくなりがちですので、一緒に働く人たちには、どのような手段で情報を伝えるのが適切なのか、コミュニケーション方法を工夫することや、情報が伝わっているかどうかを確認することが必要です。 また、聴覚障害のある人は、業務時間を知らせるチャイムや緊急放送などの音による通知に気づかないことがあるので、合図や連絡、危険な場所や危険の発生を視覚で確認できるようにするなどの配慮も必要です。~障害のある人が働きやすい職場づくり~~障害のある人が働きやすい職場づくり~ ウシオ電機株式会社は、2017(平成29)年7月から「一人ひとりに焦点を当てた経営」のより一層の推進を目ざし、「ダイバーシティプロジェクト(2022年度に「ダイバーシティ&インクルージョンPJ」に改称)」を推進しています。その取組みの一つとして発足した「障がい者雇用分科会」(以下、「分科会」)では、だれもが安心・安全に活き活きと働ける職場づくりを目ざした活動を行っています。「『ダイバーシティプロジェクト』の特徴は、人事部門だけではなく、一般の社員のなかからメンバーを募集し、当事者の声も取り入れながら活動していることです。『分科会』は、障害者雇用に関心があり、地域や所属部署が異なる7人のメンバーにより運営されて聴覚障害の特性と配慮するポイント事例聴覚障害障害者雇用に関心のあるメンバーが取組みを牽引● 電話関連機器 受話器に取りつけたり、電話機本体に接続したり、受話器ごと交換するなどして、音量の増幅や骨伝導により聴き取りやすくするための機器● 磁気ループシステム  磁気誘導によって音声をテレコイル対応の補聴器などに伝達し、増幅して聴くことができる。また、マイクからの信号が直接ループに伝えられるため、周囲の雑音を押さえ、高音質を保つことができる● 屋内信号装置 離れた場所にいても、業務上の連絡事項や緊急時の連絡などの必要情報を送信し、光信号またはバイブレーション機能を持つ受信機で知らせるための機器● 筆談支援機器 くり返し使用できる筆談ボード● 音声認識ソフトウェア 話した言葉を、パソコンの画面に文字で表示するツール● 文章音声化コミュニケーション支援ソフト パソコン上の文章を、音声として読み上げるツール● メール着信通知装置 メールの着信を、光と音で知らせる機器聴覚障害者のための就労支援機器の例ウシオ電機株式会社 (東京都千代田区)◆事業内容 光応用製品事業ならびに産業機械およびその他事業◆従業員数  ウシオ電機本体  1707人(グループ計5053人)      (2021年3月現在)10

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