働く広場2022年6月号
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動について見直し、職場適応への自己分析をし、支援員は面談しながら評価し職場でのメンタルのセルフケアの実践をうながす。「支援計画で把握した障害特性、長所、短所を本人にフィードバックし、克服精神保健福祉士の資格を持つ所長の橋はし本もと泰やす伸のぶさんが取材に応じてくれた。「まず、最初の個別支援計画で、利用者の特性を把握するために、医療機関、支援学校、就労支援機関、家族などから情報を多面的に収集し、利用者が働くためにどういう支援が必要か、達成すべき課題を明確にし、作成します。目標の達成まで1年から1年半をかけます。計画にしたがいステップアップしていけば就職活動へ進みます。ハローワークで求人票を見て、本人の希望する企業を見学、雇用前実習をして双方が合意すれば一般就労となります」 就労移行支援はまず、事業所内での基礎訓練から始まる。運動、軽作業、在宅での訓練プログラム、グループワーク、パソコン、IT事務、ビジネスマナーなど働くための体力、コミュニケーション能力、事務能力を学び、養い、身につける。これに2〜3カ月間。次のステップは企業実習。実習先としてこれまで利用者が就労している約500社が用意されている。実習は3社を経験することが基本。期間は一つの職場で1〜3週間。ここでの指導のポイントは企業で実際に働いてみて、自分が克服すべき課題は何か、その課題への対処を自分でできたか。多くの人たちと働きながら自分の言 新大阪駅から歩いて約10分、オフィス街のビルの中に「NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(JSN)」の就労移行支援事業所JSN新大阪アネックスがあった。「おはようございます」とあいさつをすると、机が並びパソコンに向かっていた利用者が、入口に立つ私の方に視線を向け、あいさつを返してくれた。 ここは精神障害者、発達障害者に特化した就労支援事業所。定員20人に対し、利用者は21人。9割が発達障害、1割が精神障害、平均年齢37歳、男性が7割。相談所、若者サポートステーション、大学、精神科医などから紹介されて見学に来る。職員は5人で、精神保健福祉士などの資格を持つ就労支援員、職業指導員で構成され、就労支援に従事して5年前後の経験者だ。この日はジョブコーチ、JSN新大阪アネックス働く広場 2022.6JSN新大阪アネックスが入居するビルJSN新大阪アネックス所長の橋本泰伸さんJSN新大阪アネックスでの訓練の様子面談でのヒアリングを支援計画に活かす精神・発達障害に特化した「NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク」における、メンタルのセルフケアを含めた支援計画一般就労に向けた就労継続支援A型事業所「アクアクララ北大阪」での勤務を通じ、利用者の課題を明確化、ステップアップを目ざす利用者のメンタル不調を把握するため「SPIS」を活用123POINT21

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