働く広場2022年6月号
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ターサーバーの管理業務を行う。「清掃事業」は区役所、公共施設管理センターの日常清掃業務。「ハートギフト事業」はワインボトル、グラス、コースターにハート、花柄、名前、年月日などの文字を彫刻したり焼きつけたりしてギフト商品にする業務などを行っている。松まつ浦うら慈じ英えいさん(27歳)は、身体障害5級でハートギフト事業部に勤務している。手先が器用でボトルに「Happy Wedding」の文字とバラの花を刻み込み見事なアート作品に仕上げる。22歳から働き、5年間エッチングの腕を磨いてきた。レーザー加工機でコースター、木箱に絵を焼きつけるのも得意。自宅から自転車通勤し、休みの日は母親と貸農園で大根、ニンジン、ジャガイモなど無農薬野菜づくりを楽しんでいる。「モノづくすべき目標を示し、次の実習でチャレンジしていきます。精神障害や発達障害のある人も、訓練をこなし、自分でメンタルケアができる知識や工夫を一つでも獲得すれば、職場に適応しやすくなります」と橋本さんは話す。 基礎訓練や職場実習を通して、自分の障害を知り、ストレスを感じたときのセルフケアの体験を重ねて習得し、適応能力を身につけることに一貫して取り組む。 利用者に話を聞いた。中なか西にし将まさ大ひろさん(27歳)は、奈良県から電車で1時間かけて通っている。大学で人間関係に悩み、自身に発達障害があることを知ったという。就労移行支援事業所で訓練を受け、特例子会社で事務職に就き11カ月間勤務。その後、二つの就労支援事業所を経て昨年5月、現在の事業所に。基礎訓練を終え、保険会社、鉄道会社、介護施設での職場実習も経験した。「これまでは周囲の人たちの言動に敏感になり過ぎて、自分を追い詰めることが多かったのですが、この事業所でメンタルのセルフケアに取り組み、精神面は成長したと感じています。就職活動に進み、これから、雇用前実習を受けることになっています。企業から評価してもらえれば、就職が決まると思います」と胸を膨らませている。 就労支援員の大おお町まち誠せい吾ごさんは「最初は、一緒に働く人たちとのコミュニケーションの取り方がわからないように見えましたが、いまは自分なりに考え対応することを実習のなかで学んだようです。落ち着いて働けるようになっています」という。 新大阪駅からJR京都線に乗って茨木市にある就労継続支援A型事業所「アクアクララ北大阪」へ。  2014(平成26)年開所。定員20人に対し利用者は12人、8割が精神障害、知的障害と身体障害が各1割。「アクアクララ事業」は、飲料水の配送、ウォーアクアクララ北大阪就労継続支援A型事業所「アクアクララ北大阪」働く広場 2022.6訓練の一環で自己評価表を記入する中西さんJSN新大阪アネックスで就労支援を受ける中西将大さん就労支援員の大町誠吾さんハートギフト事業部で手がける商品の一部22

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