働く広場2022年7月号
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「参天製薬株式会社」の特例子会社として、1997(平成9)年に設立された「株式会社クレール」では、参天製薬の医薬品製造工程で使用する無菌衣、無む塵じ衣いのクリーンクリーニング(※1)や、参天製薬の工場内と工場に併設するビルの清掃、医薬品製造の準備工程作業などを請け負っており、知的障害などのある社員30人が活躍している(2022〈令和4〉年4月取材時)。クレールが手がけるクリーンクリーニングは、「GMP」と呼ばれる「医薬品の製造管理および品質管理に関する基準」に準じて、「クラス10000」レベル(約下)のクリーンルームで、洗濯、乾燥、折りたたみ、袋詰め、滅菌が行われている。現在では、参天製薬以外にも、滋賀県内の製薬会社工場や精密機器工場などで使用される作業衣のクリーニングも手がけており、親会社のみならず、地域の製造業に欠かせない存在となっている。製造工程準備業務では、医薬品製造にかかわる教育(GMP関連教育)を受けて合格した者が、材料の入荷作業、材料包装の開梱作業、工場内移動用コンテナの消毒や移送を担当している。2022年4月からは、製造された製品をロンドレーショントレイ(波形緩衝材)へ箱詰めする「集積班」の業務がスタートした。そして、同社では「業務検定」という社内検定を実施し、社員の技術向上を目ざしている。この検定により、社員が努力目標を設定しやすくなり、通常の業務以外の新しいことにチャレンジするきっかけや、技術の数値化にも役立っているという。さらに、外部の「漢字検定」や「各種資格取得」にチャレンジする社員のために、費用の支援や社内勉強会を行い、社員の成長をうながしている。また、自分のスキルを客観的に評価し、社外の優れた技術を吸収する機会として、アビリンピック(※2)への出場を積極的に行っている。※1クリーンクリーニング:クリーンルームで使用されるウェアの特殊クリーニングのこと※2 当機構ホームページでご紹介しています。 https://www.jeed.go.jp/disability/activity/abilympics/index.htmlクレールの本社社屋。会社名はフランス語で「透明な」、「純粋」を表す「Claire」に由来する①入荷した作業衣を服種やサイズ別に仕分けを行う。 クリーニング部門のセクションリーダーを務める阪口さん(左)は、「みんなが、ケガなく楽しく働ける職場にしたい」と話すさかぐちりゅうさん阪口龍じ二ん30センチメートル立方中に0・5㎛の微粒子が1万個以クリーンクリーニング業務16

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