働く広場2022年7月号
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■顔■■(文:母)画材:画用紙、アクリル絵の具/サイズ:390mm×540mm協力:愛媛県障がい者アートサポートセンター とても緻密な絵を描くことが得意な涼は、手抜きなど考えずに納得がいくまで時間を忘れて作品に向き合っています。そのため、一つの作品ができあがるまで1カ月近くかかりますが、できあがったときは喜びもひとしおです。 この絵は、自宅から20kmほど離れた海に何度も出かけスケッチしてきました。消波ブロックや砂浜の小石一つひとつをていねいに描き、海や空の微妙な色の変化も絵の具を塗り重ねることで表現しています。 また、絵画だけでなく立体作品もユニークなものが多く、それらの作品をアート展や個展などで、たくさんの人に見てもらうことが何よりの喜びです。大石 涼(おおいしりょう) 1975(昭和50)年11月、兵庫県伊丹市生まれ。2歳のとき、松山市に転居しました。 知的障害をともなう自閉症があります。感性が豊かで、山や海が近く自然に囲まれた松山の環境で生活ができ、のびのびと育ちました。 自転車で野山を走り回ることで体も丈夫になり、絵画の制作にも意欲を見せ、いまでは施設での仕事も得意な力仕事や小物の絵つけなどで活躍しています。 愛媛県の「愛にもその影響が及んでいるようで、施設では絵を描く人たちが多くなりました。ひろがる えひめの障がい者アート展」では何度も入賞し、周りの人大石 涼伊予市森の浜

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