働く広場2022年7月号
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文章作成を先送りにしがちな事例延ばししやすい傾向がありましたが、作成例が示されると取り組みやすい様子がうかがえました。その様子をふまえ、実行機能の「計画・組織化」を構成する「目標の明確化」に着目し、先延ばしして作業が開始できない要因を、「体裁や項目立てなど完成形のイメージが持てないためである」と考え、次の通り助言しました。①完成形の例について質問する②項目立てや記述内容について相談する示者に質問することで作業を開始することができ、先延ばしを解消できました。Aさんからは、「苦手な作業を実行できたことで、作業の進捗管理にもっと取り組みたいという気持ちになりました。そのためにも記録用の手帳を使う練習をしたいと思います」との感想をいただいています。をもつ発達障害者とともに、課題を分析したり、対処方法を検討する際にお役立てください。害者に対する作業管理支援」は、障害者職業総合センターホームページに掲載しています(★1)。また、冊子の配付を希望される場合は、当職業センターに直接ご連絡ください(★2)。【個別相談(振返り)の実施】【対処方法の検討】【作業管理支援を実施した事例の紹介】作業管理課題実施後、支援者と受講者は、作業管理上の課題を共有し、課題に対する対処方法の検討を行うための個別相談(振返り)を実施します。その際、「行動観察シート」と「ふりかえりシート」を使用します。この2つのシートは作業工程の流れにそって共通した観察項目が示されているため、受講者と支援者が同じ視点で振り返ることが可能となります。そのため、受講者が特に意識した取組みと、うまく対処できなかった取組み、受講者と支援者の評価が異なる取組みを丁寧に振り返ることができます。また、うまく取り組めた行動に着目することができるため「すべての作業が苦手なわけではない」と気づけるようになります。個別相談(振返り)では、苦手な行動に対処する方法を検討します。本報告書では「作業管理課題において活用した課題への対処方法〜ヒント集〜」(図5)に対処方法の事例を掲載していますので、苦手な行動への対処方法を検討する際の参考にしていただけます。なお、個別相談で検討した対処方法は、作業     *  場面などで実践し、効果を確認したうえで、実際の職場で活用しやすい方法に変更を加えます。Aさんは文章作成に強い苦手意識があり、先助言後Aさんは、自分から完成形について指*    *   同じミスをくり返すなどの作業管理上の課題実践報告書№39「在職中又は休職中の発達障*   ★1「実践報告書No.39 」は、 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/practice39.htmlからダウンロードできます★2 障害者職業総合センター 職業センター TEL:043-297-9043  https://www.nivr.jeed.go.jp/center/center.html図5 作業管理課題において活用した課題への対処方法〜ヒント集〜図4 ふりかえりシートと記入例記入例働く広場 2022.729

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