働く広場2022年8月号
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(2)企業へのヒアリング調査(3)就労継続支援事業所へのヒアリング調査(1)障害者の週所定労働時間20時間未満での就職希望およびその背景について     1  本調査研究は、週所定労働時間20時間未満で就労しているまたは就労を希望している障害者およびこうした障害者を雇用しているまたは雇用することを検討している企業のニーズや実態を把握し、週所定労働時間20時間未満での就業実態、支援の現場における工夫や課題等から週所定労働時間20時間未満での雇用の可能性等について探り、そのために必要な支援や制度のあり方を検討することを目的として実施しました。本稿ではその一部について紹介します。(1)就労継続支援事業所アンケート調査就労継続支援A型事業所(以下、「A型事業所」)および就労継続支援B型事業所(以下、「B型事業所」)1万4882カ所におけるサービスの管理者を対象に、利用者の状況や週所定労働時間20時間未満の就職希望、一般就労移行者の状況等に関する郵送調査を実施し、7447カ所(A型事業所1734カ所、B型事業所5709カ所、無回答4カ所)から回答がありました。週所定労働時間20時間未満の障害者雇用の実態等を把握するため、週所定労働時間20時間未満で障害者を雇用している、または雇用した経験のある13企業にヒアリングを実施しました。アンケート調査回答事業所のうち、2017~2019年度の一般就労移行者のなかに「雇用契約時に労働時間が週20時間未満」の者がいると回答した就労継続支援事業所から10カ所を選定し、ヒアリングを実施しました。アンケート調査結果において、週所定労働時間20時間未満での就職を希望する利用者がいる就労継続支援事業所の割合は、A型事業所においては8・7%、B型事業所においては16・2%でした(図1)。障害者職業総合センター研究部門事業主支援部門る利用者がいると回答した事業所の事例(1事業所5事例を上限に回答:A型事業所300事例、B型事業所2242事例)の障害種別は、A型事業所、B型事業所ともに「精神障害」がもっとも多く、次いで「知的障害」、「身体障害」でした。る理由としてもっとも多く選択されたのは、「体調の変動・維持」(A型事業所63・0%、B型事業所70・9%)でした。また、事業所の種別と理由との関係を分析すると、A型事業所は「入院治療」、「家庭の事情」の理由が有意に多く、分析に耐えうる回答数が得られた障害種別(身体障害・知的障害・精神障害)と理由との関係を分析すると、A型事業所、B型事業所ともに「体調の変動・維持」は「精神障害」が有意に多く、週所定労働時間20時間未満での就職を希望す週所定労働時間20時間未満での就職を希望す 2 はじめに調査の内容3 調査結果の概要障害者の週20時間未満の短時間雇用に関する調査研究図1 週所定労働時間 20 時間未満での 就職を希望する利用者の有無 A型事業所 (1,734 事業所) B型事業所 (5,709 事業所) ★「調査研究報告書No.165」 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku165.htmlいる 8.7%いない 91.3%いる 16.2%いない 83.8%働く広場 2022.828

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