働く広場2022年8月号
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: 私が働く有限会社まるみでは、現在12人の社員と数人の外部スタッフで日々仕事に取り組んでいる。お客さまとの連絡はメールだけで完結するケースも多く、長年お世話になっているお客さまの「声を聴いたことがない」ことも多々ある。メールで注文すれば、正確に商品が届く。なんら問題はない。でも、本当にそうだろうか。それだけでいいのだろうか。いつもモヤモヤした思いが頭をめぐる。仕事をしていてうれしいことは、お給料をもらうこと、自分なりに納得した仕事に満足できること、正確にミスなく納品できること。加えて、だれかに喜んでもらえることだろう。お客さまから直接お声がけいただく機会はなかなかないが、どんな人たちが働いているかを感じていただきたく、ウェブサイトに全員のイラストを載せている。昨日、一人の社員から「イラストを削除してほしい」と申し出があった。理由は、「自分の外見が嫌いだから、見たくない」。それは困ります!だって、会社の雰囲気をお伝えするイラストから君を削除したら、存在が消えてしまうではないですか!それでも、写真に写るのが苦手な人もいるし、感じ方は十人十色。障害があるとかないとか関係ない。困った挙句の折衷案として、彼を感じられる「何か」を描き足すことで話がまとまった。もちろん、描くのはいい出した本人が担当。お気に入りのイラストなので、削除するのはとても残念だが、自分が「不快に感じた」ことを、正直に話してくれたことはとてもうれしいことだった。さまざまな人が一緒にいれば、感じることはいろいろある。じっと我慢するのではなく、変えてほしいと思うことを発信し、みんなで話し合う。そしてちょうどいい妥協点を見つけていく。合理的配慮とは、そのような文化のことだと感じた。さて、どんな「何か」が描き足されるのか。楽しみに待とう。正直な気持ちと合理的配慮※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は三鴨委員が執筆しています。ご一読ください。: 『精神・発達障害がある人の経済的支援ガイドブック障害年金と生活保護、遺言、税などのしくみと手続き』日本福祉大学福祉経営学部医療・福祉マネジメント学科教授で精神保健福祉士でもある青■木■聖■久■さんらが、『精神・発達障害がある人の経済的支援ガイドブック障害年金と生活保護、遺言、税などのしくみと手続き』(中央法規出版刊)を出版した。精神障害や発達障害などで生活のしづらさを抱えている人の暮らしを支えるために欠かせない経済的基盤の整備に向け、その大きな柱である障害年金などの仕組み、制度との関係、利用する際の留意点や支援者の視点などを、支援の最前線にいる弁護士や税理士、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー、ソーシャルワーカーといった専門家が執筆。精神・発達障害がある人の暮らしの特徴と経済的支援、経済的支援の理解と実際について解説し、さらにQ&A方式で障害年金をはじめ生活保護、雇用保険、労働者災害補償保険、高額療養費、心身障害者扶養共済制度、遺言、税金と控除まで、その仕組みと手続きの仕方を紹介している。A5判316ページ、3520円(税込)。編集委員のひとこと第15回有限会社まるみ取締役社長 三鴨岐子本紹介※新型コロナウイルス感染症の影響により、変更する場合があります。※全国アビリンピックは 11月4日(金)〜11月6日(日)に、 千葉県で開催されます。地方アビリンピック検索岩手新潟  ■■■       ミニコラム マスコットキャラクターアビリンピック徳島働く広場 2022.82022年度地方アビリンピック開催予定7月末〜9月岩手県、新潟県、徳島県*部門ごとに開催地・日時が分かれて いる県もあります*  は開催終了31

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