働く広場2022年8月号
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ファッションブランド「グローバルワーク」、「ニコアンド」などを展開するアパレル企業「株式会社アダストリア」(以下、「アダストリア」)は、2013(平成25)年に「株式会社アダストリア・ゼネラルサポート」(以下、「AGS」)を設立。翌2014年に、AGSは特例子会社として認定された。複数の会社を吸収合併してきたアダストリアは、以前は全国各地でそれぞれ障がい者雇用を進めていたが、AGSの設立を機に、各拠点が連携しながら業務内容の強化と雇用拡大を図ってきた。東京都渋谷区にある本部をはじめ山形県、茨城県、群馬県、愛知県、大阪府、福岡県の全国7拠点を軸に、グループ会社への事務支援のほか物流現場や店舗での支援業務などを行っている。いまではAGSの全従業員290人のうち、障がいのある従業員は212人(身体障がい46人、知的障がい51人、精神障がい115人)、6社のグループ適用による障害者雇用率は2・62%(2022︿令和4﹀年6月1日現在の概算)だという。今回は、AGSの拠点でもっとも規模美み恵え子こさんは、AGSの設立当時、唯一の定〈山形サポートセンター〉主要経費(本が大きい群馬サポートセンターを中心に、職場での取組みなどを紹介していく。群馬サポートセンターに勤務する岩い﨑さ着支援担当者で、各拠点を巡回しながら定期面談や採用活動に関する対応を行っていた。「さらなる雇用の拡大と定着支援の必要性から、各拠点に定着支援担当として企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)の配置を提案しました」という。現在はジョブコーチなどの資格を持つ定着支援担当者が各拠点に配置され、サポート体制を整えている。ちなみにAGSでは正社員は原則、障害者職業生活相談員の資格取得を推奨されているそうだ。各拠点の「業務内容」、「障がいのある従業員数」、「支援関連の有資格者数」は次の通りである(2022年6月1日現在)。部や店舗、国内外旅費精算等)のチェック、各種データ集計・分析、契約書の書類保管など・身体障がい24人、精神障がい5人/ジョブコーチ1人、障害者職業生活相談員8人、手話通訳士1人〈茨城サポートセンター〉パソコン入力〈群馬サポートセンター〉事務支援:人〈福岡サポートセンター〉返金処理、売〈営業支援チーム(茨城・群馬・関東・東海・関西・九州)〉清掃、入荷商品の検品・作業(売掛や入金確認)、印刷関係、パソコンキッティングなど・身体障がい11人、知的障がい5人、精神障がい12人/ジョブコーチ3人、障害者職業生活相談員9人、精神・発達障害者しごとサポーター6人事労務、福利厚生の申請チェック、書類のPDF化、物流支援:キズ物商品の検品・仕分け、販促品などの振り分け、店舗への発送、清掃、店舗支援:バックルームで商品の検品・仕分けなど・身体障がい9人、知的障がい17人、精神障がい34人/ジョブコーチ3人、障害者職業生活相談員22人、精神・発達障害者しごとサポーター15人、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種3人掛金処理、直送伝票、全社安否確認訓練など・知的障がい1人、精神障がい9人/ジョブコーチ1人、障害者職業生活相談員4人、精神・発達障害者しごとサポーター4人、雇用環境整備士1人仕分け、ストック整理、店頭品出しなどアパレル企業の特例子会社各拠点にサポート体制Ⓡわき5POINT123群馬サポートセンターで定着支援を担当する岩﨑美恵子さん★本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社アダストリア・ゼネラルサポート様のご希望により「障がい」としています働く広場 2022.8全国7拠点にジョブコーチなどの支援担当者を配置入社後は一定期間の定着支援を経て、ナチュラルサポートへ移行柔軟な人事制度や褒賞金、復帰支援などで働き続けられる環境づくり

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