働く広場2022年9月号
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"Pパyイthon"というプログラミング言語をインターンシップでお世話になった会社で、大学の先輩がいたのも進路選択の決め手の一つとなりました。就職したら、使って人工知能の仕事にかかわれることが楽しみです。また、大学のボランティア活動で特別支援学校の子どもたちに、ものづくりについて教えた経験が将来役に立つと思います。ボランティアでは、ペットボトルの輪投げや金魚釣りなどの企画を実施しました。積極的に行動をするのが苦手な人への助言は、『まずはやってみるのが大事』だということです。自分も『ボランティアのリーダーをやってみないか』という話があり、できるかわかりませんでしたが、まずはやってみることにしました。そして自分一人で抱え込まないようにして動いてみようと思いました。まずは動くことが大事です」天久保キャンパスの特徴である、聴覚障害に配慮した設備もご案内いただいた。例えば、手話使用者でも利用可能な公衆電話(手話対応型公衆電話ボックス)、学内のエレベータで音声が利用できないため、なかに人がいるかどうかモニターで確認することのできるエレベータ、顔を合わせやすくするためV字型に机を配置した実習室などである。これらの環境設定は、聴覚障害のある社員を雇用する企業にとっても、参考になるのではないだろうか。春日キャンパスには「保健科学部」が置かれている。同学部には「保健学科」と「情報システム学科」があり、保健学科には鍼し灸きを専門的に学ぶ「鍼灸学専攻」、理学療法を学ぶ「理学療法学専攻」がある。情報システム学科は、視覚障害補償技術を活用して、コンピュータとその応用技術の基本を学習し一般企業への就職を目ざす学科である。春日キャンパスではまず、就職担当である、保健科学部情報システム学科の嶋しかがった。その後、学内の設備を見せていただき、在学生にお話を聞くことができた。筑波技術大学保健科学部の入学資格として、視覚障害に関しては「両眼の矯正視力がおおむね0・3未満であるかまたは視力以外の視機能障害が高度」などとなっており、全盲の学生もいる一方で、視力には大きな障害はないものの、視野の中心、あるいは周辺部分に見えないところがあり日常生活を送るうえで配慮が必ゅう村む幸ゆ仁ひ教授、堀ほ江え則の之ゆ准教授にお話をう要な学生もいるとのことであった。入学してくる学生の年齢層は、保健学科の鍼灸学専攻や理学療法学専攻では年齢の高い学生もいるが、情報システム学科は18歳で入学する若い学生が多いとのことであった。入学後の生活は、天久保キャンパス同様、寄宿舎があり、大多数の学生が寄宿舎生活を送っているそうだ。寄宿舎は4室や6室がまとまったユニットとなっており、それぞれのユニットには違う学科の学生が入居している。保健学科は年齢層が高い学生もいるため、結果的に年齢層が異なって配置されており、社会勉強になる面もあるという。    まきとりらりき   ンソ ん 鍼灸学専攻は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格取得を、理学療法学専攻は理学療法士の資格取得を目ざす。鍼灸学専攻の卒業生はヘルスキーパーという職種で、社員への福利厚生でマッサージを行う社員として大手企業に聴覚障害に配慮した設備春日キャンパス働く広場 2022.9エレベータ内が確認できるモニター(左上)。災害時、閉じ込めの確認などに活用される学生寄宿舎共用棟に設置された手話対応型公衆電話ボックス「手話フォン」教壇を中心に机がV字に配置された実習室。手話でのコミュニケーションを円滑にする筑波技術大学 春日キャンパス保健科学部情報システム学科の堀江則之准教授保健科学部情報システム学科の嶋村幸仁教授23

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