働く広場2022年10月号
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(1)TPツールの購入機関を対象とした質問紙(2)TPの知見がある支援者を対象とした面接調査調査当機構の障害者職業総合センター研究部門では、障害のある人が自立した職業生活を送れるよう支援することを目ざした総合的な職業リハビリテーションサービスである「職場適応促進のためのトータルパッケージ」(以下、「TP」)を開発しました。また、サービスとしてのTPの実践を補助するツール等(以下、「TPツール」)として、ウィスコンシン・カードソーティングテスト、メモリーノート(幕張版)、ワークサンプル幕張版、幕張ストレス疲労アセスメントシート、グループワークが位置づけられています。TPの開発は1999年から2003年にかけて行われましたが、それ以降の研究においては、TPを活用できる人材の育成および研修の実施の必要性といった活用を促進していくうえでの課題が指摘されています。そこで本研究(※1)では、TPが効果的に活用されるような活用促進の方策を検討することを目的としました。本調査研究では、TPに関する情報提供方法の一つとして、教育的なプログラム(以下、「伝達プログラム」)を想定して、開発を目ざしました。開発にあたっては、教育工学におけるインストラクショナルデザインの考え方を活用し、「分析」、「設計」、「開発」、「実施」、「評価」の五つのプロセスに基づく調査研究を展開しました。伝達プログラムのニーズ等を分析するための障害者職業総合センター研究部門 障害者支援部門データ収集を次の通り行いました。ターおよび、それ以外の機関679カ所に対して、2019年8月~2020年1月の期間で質問紙調査を実施しました。TPに関して提供を希望する情報については、「就労支援業務におけるTPの有効な運用方法」、「TPの活用事例」、「応用行動分析に基づくTPの利用方法」といった希望が比較的多くありました。また、情報の提供形式についての希望では、「ホームページ」、「TPの体験を伴う研修」、「講座」への希望が比較的多くありました。9年8月~2020年11月の期間で面接調査を実施しました。その結果、組織内で活用できる研修等による情報提供の希望が高く、「TPの理論」や「実践で有効な支援方法」に関する情報提供が求められていました。TPツールを購入している地域障害者職業センTPの知見がある支援者21人を対象に2011 調査研究の背景と目的2 調査研究の方法3 伝達プログラムのニーズ等の「分析」「障害の多様化に対応した職業リハビリテーションツールの効果的な活用に関する研究」※1「調査研究報告書No.164」 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku164.html   働く広場 2022.1028

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