働く広場2022年10月号
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(1)伝達プログラムの「設計」(2)伝達プログラムの「開発」(3)伝達プログラムの「実施」と「評価」伝達プログラムの設計に関して検討した事項を表に示します。開発にあたっては、TPに関する既存の教材と、新たに作成した教材を組み合わせました。特に、伝達プログラム受講者の学習意欲を引き出せるよう検討しました。質問紙調査に協力していただいた機関のうち、伝達プログラムの研修受講を希望する、との意思表示があった機関の職員の方52名を対象に研修を行いました。研修後に行った満足度アンケートの結果では、「学習した内容を自身の研修プログラムに反映させる」と回答した受講者が全体の9割を超え、自由記述でも「TP実施への意欲が向上した」との報告が複数ありました。また、TPチェックリストへの回答結果を確認するために行った面接調査では、「TPの導入」や「TPを活用した支援サービスの拡大を検討している」と回答した支援機関もありました。今回開発した伝達プログラムは、TPの学習を進めるうえで一定の効果があることが確認できました。研究の中では、伝達プログラムとは別に、支援者のTPツールへの導入意欲を喚起するための「職場適応促進のためのトータルパッケージツールを活用した実践事例集」(※2)と、TPの知識を必要に応じて参照できる「トータルパッケージ学習テキスト」(※3)を作成しています。今後は、伝達プログラムと実践事例集、学習テキストがさまざまな就労支援機関において活用され、TPに関する知識の普及と就労支援サービスの質の向上が期待されます。作成した研修スライドと、伝達プログラムの解説ポイント等をまとめた「講師用手引」(※3)(「研修の効果測定ツール」を含む)を障害者職業総合センターのホームページで公開していますので、どうぞご活用ください。     おかれましては、これらの方法も取り入れて、等に合わせてカスタマイズすることもできます。例えば、「講師用手引」の中に掲載されている「TPチェックリスト」に、研修前に受講者に回答してもらい、その結果から実践度が低い項目と、受講者が所属する機関の役割や機能を照らし合わせることで、研修で学習すべき項目を絞り込むこともできます。地域の就労支援機関に伝達プログラムを有効に活用していただければと思います。なお、これらの教材は、支援現場の業務内容4   「設計」、「開発」、「実施」、「評価」伝達プログラムの5 伝達プログラムの活用※2 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai76.html※3 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai75.html ◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)表 伝達プログラムの設計にかかる検討事項項目検討した事項質問紙調査および面接調査から把握したニーズをふまえ、伝達プログラムは「研修」とするとともに、その目的を「支援者がTPの理論的知識を実践に生かせること」とした。学習目標の設定学習目標に応じたカリキュラムの決定TPの実践場面による学習内容の違いを考慮し、「第1回 アセスメント」、「第2回 作業訓練」、「第3回 セルフマネージメント」の3回の研修を設定した。評価方法として下記の評価指標を設定した。・研修内容への受講者の満足度や好感度を測る「満足度アンケート」・研修で伝達した知識とその運用可能性を測る「獲得度テスト」・研修前後の受講者の行動の変化を測る「TPチェックリスト」学習成果の評価方法の開発29

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