働く広場2022年10月号
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1920(大正9)年に「川か西に機械製作所」として設立され、今年で創業102年目を迎える「新し明め和わ工こ業ぎ株式会社」(以下、「新明和工業」)。同社は戦前から飛行機の製作を手がけ、いまでは海上自衛隊が運用する水陸両用の飛行艇US2をはじめ民間旅客機の部品、ごみ収集車をはじめとする特装車などさまざまな輸送用機器のメーカーとして知られている。ょう村む重し利とさんは、「グループ規模の拡大にと国内だけで20社超のグループ会社を抱える同社が、2015(平成27)年に子会社の新明和商事株式会社と共同出資して設立した特例子会社が、「新明和ハートフル株式会社」(以下、「新明和ハートフル」)だ。当初は障害のある従業員5人と指導員2人で、書類などの電子化事業からスタートした。2022年6月現在、障害のある従業員は26人(身体障害1人、知的障害24人、精神障害1人)になった。2019(令和元)年8月に新明和工業の航空機事業部からの出向を機に、2020年から代表取締役を務めている西にもない、雇用増と業務拡大を図ってきました」と話す。新明和商事株式会社の管理部から出向している管理課の井い上う富と和かさんとともに、「実働部隊の2人」として、業務調整から支援機関や学校との連携、グループ内の営業までこなしているという。それぞれ長年、ものづくりの現場や周辺でつちかってきた経験と人脈をフル活用しながら、積極的に業務を開拓してきたようだ。今回は、宝塚事務所の現場を見学しながら、さまざまな業務や従業員のみなさんを紹介してもらった。橋は義よ希きさん(24歳)は、もともとパソコン主力の電子化業務は、長年にわたり工場などで保管されてきた大量の図面や資料などが対象だ。この7年間で計1200万枚以上にのぼる電子化の実績を認められ、今年2月からは、昔の図面などを納めたマイクロフィルム10万枚以上の電子化業務も担当している。井上さんは「フィルムを読み取る専用の機器を探し回り、工場で眠っていた機器を見つけました。それをメンテナンスしながら活用しています」と経緯を語る。電子化業務が行われているのは、新明和工業の本社や各事業部が集まる宝塚工場内の建物の2階。事務フロアに業務用の複合機とパソコンが並び、従業員が手際よくスキャニング作業を行っていた。2人に話を聞いた。2016年に入社した宝塚事務所の松ま操作が好きだったことから、特別支援学校の先生にすすめられて同社の職場実習に参加したそうだ。「電子化業務は、濃度調整が一番むずかしい」というが、いまではより高度なスキルが必要な大型図面輸送用機器メーカーの特例子会社図面やフィルムなどを電子化POINT123しーししつのえみずしげらんいうわし5新明和ハートフル株式会社代表取締役の西村重利さん電子化業務を担当する、宝塚事務所の松橋義希さん管理課の井上富和さん働く広場 2022.10電子化業務を柱に、検査やAI関連など積極的に業務を開拓ESGやSDGsの視点を活かした取組みにも挑戦社内広報紙で業務や課題などを発信、グループ全体の理解を図る

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