働く広場2022年11月号
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障害者雇用に取り組む企業にとって、障害のある社員の採用から職場定着まで、重要になるのが「職場内の人的な支援体制の構築」です。これから障害者雇用に取り組もうというとき、職場の施設や設備改善といった、ハード面に注目しがちですが、むしろそれ以上に、障害のある社員を受け入れる側の社員の意識づけがポイントになります。受け入れ部署の社員の理解はもちろんですが、それ以外の社員も含め、組織全体で意識することが、障害のある社員が働きやすく、定着する職場づくりへとつながっていきます。障害のある社員の働きやすさは、障害に理解のある上司や同僚、人事担当者や有資格者といったな支援体制職場内の人的が大きく影響します(9ページ図)。障害のある社員が必要とするサポートや適切な配慮を、職場の社員全員が自然にできること、いわゆるナチュラルサポートざすべき状態であり、障害のある社員が働きやすい職場であるといえます。支援や配慮といっても、障害のある社員を特別扱いするのではなく、障害特性や仕事の状況に応じて、適切な配慮が自然にできる職場を目ざして、障害についての基礎的な知識の習得や障害者雇用の意義の理解など、社員全体の意識の形成や職場の風土づくりが大切です。それによって、障害者雇用についての組織全体の意識が底上げされ、受け入れ部署や上司、同僚といった働く仲間としての自然なサポートができる体制へとつながります。全体的な意識の底上げとともに、障害のある社員のサポート体制を機能さ体制の構築が目せるためには、担当者を絞る必要もあります。障害のある社員の日々の業務について、仕事の指示や職場での困りごとの相談などは、状況や仕事内容を理解している上司や同僚がサポートにあたる場合も多いでしょう。障害のある社員が、だれの指示をあおげばよいか、だれに相談するのがよいのか、不安を払拭するためにも、身近で話しやすい〝メンター的な担当者〟を決めておくことは有効です。また、障害者雇用全般については総務や人事担当者の対応が必要なこともあります。制度利用や労働条件、就業規則、支援機関や医療機関との連携においては、これらの担当者が窓口になることが多いでしょう。職場内の支援者として、障害者職業生活相談員や企業在籍型ジョブコーチといった雇用支援に関わる資格を持つ有資格者の方がいる場合もあります。障害者雇用における職場内の人的な支援体制構築の重要性ポイント ❶ポイントポイント障害者雇用に適した組織づくりポジションごとの役割分担と体制づくり働く障害者を支える職場内の有資格者」「   ❷ ❸     「」8働く広場 2022.11 障害者雇用において、障害者が働きやすい職場環境づくり(物理的環境の整備と人的な支援体制の構築)は欠かせません。なかでも重要な「職場内の人的な支援体制」を構築するためには、どのようにすればよいのでしょうか。 この連載では働く障害者を支える支援体制づくりについてご紹介します。第1回第1回〜職場内の人的な支援体制の構築に向けて〜〜職場内の人的な支援体制の構築に向けて〜クローズクローズアップアップ職場内の支援体制の課題と対応職場内の支援体制の課題と対応

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