働く広場2022年11月号
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2016(平成28)年4月から、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止および合理的配慮の提供が義務づけられ、また、2018(平成30)年には精神障害者の雇用義務化、2021(令和3)年には法定雇用率が2・3%に引き上げられる等、障害者雇用に向けた事業主のさらなる取組みが求められているなか、支援機関には、個別の事業主の支援ニーズや課題を把握・共有したうえで、改善方策の検討・提案を行っていく提案型の事業主支援が求められてきています。そのため、本調査研究では、地域障害者職業センター(以下、「地域センター」)における提案型の事業主支援等での活用を意図したツールを開発するとともに、個別の事業主のニーズや課題に応じて作成した、事業主の障害者雇用の意思決定と企業内で障害者雇用を支える人材育成を図るための研修プログラムを活用した提案型事業主支援の試行に取り組むこととしました。本稿では、その一部(本調査研究を通じて作成した「障害者雇用のためのサポートツール」)について紹介します。ツールは、「これから障害者雇用に取り組む事             「事業主が主体となって障害者雇用に向けた取組業主やすでに取り組んでいる事業主」を対象に、みを検討していただくなかで、地域センターの障害者職業カウンセラーと相談しながら」活用するためのツールとして作成しました。ツールの作成プロセスは、次の通りです。●地域センターへのアンケート調査結果から障害者雇用に関する事業主の抱える課題を障害者職業総合センター研究部門 事業主支援部門ためのサポートツール」(図1)と②「障害者雇用のためのサポートツール に進めるためのヒントとなるような七つのチェックポイントを「障害者雇用のための取組 クポイント一覧(A3サイズ両面1枚)」としてまとめたもので、②は①の七つの各チェックポイントについて、その背景等をわかりやすく説明した冊子です。です。抽出するとともに、既存の資料等も参考にしながら障害者雇用の課題を円滑に把握するための「障害者雇用のための取組チェックポイント一覧」を試作●障害者を支援する機関の専門家から試作に対する助言を得て内容を修正●実際の事業主支援で試用し、企業の人事担当者からの意見をふまえてさらに修正を加え、完成こうして完成したツールが、①「障害者雇用の参考資料」(図2)です。①は障害者雇用を円滑整理した七つのチェックポイントは、次の通り●経営者は障害者雇用の方針を広く社内に示していますか●障害者雇用が社内に理解されていますか●職務内容、配属部署は決まっていますか●募集・採用の方法は決まっていますかチェックポイント別チェッ1 はじめに2 地域センターの実態をふまえたツールの  作成について「障害者雇用及び雇用継続において事業主が抱える課題の把握方法及び提案型事業主支援の方法に関する研究」の概要働く広場 2022.1110

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