働く広場2022年11月号
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「小林製薬チャレンジド株式会社」(以下、「チャレンジド」)は、小林製薬グループの特例子会社(親会社は小林製薬株式会社)だ。2012(平成24)年に、富山県富山市で初めて特例子会社の認定を受けた。同グループ会社の「富山小林製薬株式会社」内に置かれたチャレンジドの本社では、障害のある社員23人が工場内の清掃や軽作業などの業務に就いている。製品の品質管理をになうQC試験室では、品質検査に使用されたビーカーやピペット、保管容器などの洗浄作業をチャレンジドの社員が行っている。洗浄を依頼する試験室の社員が洗浄方法が記載されたカードを添付するなど、正しい作業方法がわかるように工夫している。入社6年目で、精神障害のある藤ふ井い久ひ也やさん(51歳)は、「働き始めた当初、洗浄作業は苦手でしたが、いまでは時間を忘れるほど夢中になって行っています。なおいっそう、仕事を好きになることが目標です」という。工場で使用される作業服や備品の発注、在庫管理なども藤井さんの仕事だ。そのほか、チャレンジドの社員はさまざまな業務に就いている。生産準備作業では、原材料を指示書に従って倉庫から取り出し、パレットに積み込む。また清掃業務では、工場内の食堂やトイレなどの共有スペースの清掃を行っている。このように同社の社員が親会社のものづくりをアシストしているのだ。作業は班単位で行われ、各業務をローテーションすることで、不公平感の払拭にもつながっている。また作業上の疑問点などは、その都度、班長に相談し解決していくという。また、日報でのふり返りを行うことで、同じ失敗をくり返さないように配慮している。チャレンジドでは、全国の4事業所で46人の障害のある社員が活躍している。また、1年ほど前、「小林製薬中央研究所」(大阪府)内に新事業所を立ち上げるなど、業務拡大への挑戦も続いている。じさ器具の洗浄作業。壊れやすいものも多いため、細心の注意を払うQC試験室での、ろ紙折り作業。角や折り目をつぶさないように作業する洗浄する容器とともに、洗浄方法が記載されたカードも置かれている16

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