働く広場2022年11月号
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業務内容について2 社員の仕事ぶりについて3 【株式会社丸和の歩み】【障がい者雇用のきっかけ】【代表の思い、これからの目標】障がいのある社員はそのなかの生産事業部で働いている。また丸和グループの「社会福祉法人桃の木会」で就労継続支援A型とB型の事業所も運営し、障がいのある人の就労支援に取り組んでいる。生産事業部は、毎日工場に運ばれてくるリネンやユニフォーム類の、①種分け、②クリーニング、③乾燥・仕上げを担当する部署。この部署で10人の障がいのある社員が働いている。中尾さんによると、「全員まじめに仕事に取り組んでいる。障がいを感じることはない」とのこと。障がいのある社員は、生産事業部で実力を発揮しているという。「作業内容によっては、障がいのない人よりも仕事が早い人もいて、ほかの社員にとってよい刺激になっている」と、中尾さん。採用後も定着率が高く、約半数は勤続ある社員のサポートや相談は生産事業部の係長が担当している。サポートといっても特別なことではなく、職場ではコミュニケーションを大切にしていて、出勤したら顔を見てあいさつすることから始めているそうだ。人材募集やインターンシップは毎年行     ら   まる 技能実習生の受入れにも取り組んでいる。い、障がいのある人の雇用のほかに外国人[1960年]製綿工場創業[1964年]「有限会社丸和寝具」法人設立[1990年]寝具製造・販売・リース・リネン[1994年]社会福祉法人桃の木会を設立[2006年]本社および工場を現在の紀の川2020(令和2)年、代表取締役に就任した丸ま山や裕ゆ加かさんから次のような説明があった。サプライ部門を営業する株式会社法人に変更。このころから障がい者雇用の取組みが始まる市に移転丸山さんからは、「先代の社長が、シーツ、ユニフォームなどのリネン類を福祉施設に届けたときに、ある利用者さんから﹃運ぶのを手伝おうか﹄と声をかけられたことがあったそうです。その出会いから、働く能力や意欲を持っている障がいのある人がいることを知り、この人たちが働ける場を会社で提供できないものかという思いが募りました。その後一人、二人と雇用してきて現在に至っています」というお話をうかがうことができた。工場で働く社員の姿を先代の社長と一緒に見ながら生活してきた丸山さんは、「ひたむきに働く姿を社員だれもが知っており、そこには、障がいの有無は関係ない」という考え方が自然と身についたとのこと。また、イギリスに留学していたときに、障がいのある人たちにだれもが自然に、あたり前のようにサポートする姿を見て、日本の障がいに対する理解や協力、社会福祉の考え方の違いをあらためて実感したという。「社会福祉の目的は、差別をしないこと、みんなで助け合うこと」と穏やかに語る社長と、しばし社会福祉の考え方について意見交換をするインタビューにもなった。今後の目標についておたずねすると、「障がいがあっても可能なかぎり当社で働いてもらい、その人が将来困らないようにしたい」、「紀の川の野菜や果物づくり、それらを活かしたレストランなどへ雇用枠を広げていきたい」と語ってくれた。そのコメントからも、代表取締役としての熱意と人としてのやさしさが感じられた。インタビューでは、障がいのある3人の社員と、社員の相談・調整役を担当している生産事業部係長の平ひ野の豊ゆさんに取材することができた。たか代表取締役・丸山裕加さんにインタビュー社員インタビュー10年以上、最長28年の人もいる。障がいの働く広場 2022.11シーツを自動アイロン機に投入する高畑さん生産事業部で働く高畑誠一さん代表取締役の丸山裕加さん22

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