働く広場2022年11月号
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【現在の仕事】生産事業部係長 インタビュー【現在の仕事について】【障がいについて】こともあったが、なにごとも他人には負けたくないという性格から一つひとつ仕事を覚えていき、今年で入社17年目になる。橋本さんは、洗濯が終わったユニフォームをハンガーに掛ける業務を担当している。この部門は、3人から5人のメンバーがいて、1人で1日2000枚のハンガー掛けをこなしている。橋本さんは恥ずかしがりやの性格で、インタビューの初めのころは視線を合わせないようなところがあったが、同席していた丸山さんの声かけもあり、仕事以外のいろいろな話もしてくれた。毎朝6時には家を出て、約2時間かけて通勤している。趣味は旅行と貯金。政治への関心も深く、選挙が大好きとのこと。選挙期間中には、地域の議員さんや市長さんとも話をしたことがあるなど、政治の話を熱心に語る一面も見られた。また、趣味の旅行も、今年は彦根城に行き、来年は広島を旅する予定だという。家族みんなで行く旅行を楽しみにして毎日の仕事に励んでいる。平野さんは6年前に転職して、丸和に就職。障がいのある人と一緒に働くのは初めてで、入社当初は、障がいのある人が仕事をするというイメージを持っていなかったという。入社して1年半が経ったころ、生産事業部で働く障がいのある社員の担当になった。障がいについて専門的な知識や実務的な経験もなかったが、一人ひとりと話し合い、理解するように努力してきたそうだ。障がいのある社員からは、仕事の負荷がきつい、人間関係がうまくいかない、突然退職したいなどさまざまな相談があるという。平野さんが担当者として心がけてきたこととして「相談者が落ち着いて話ができるようにする」、「話を聞くことに徹する」、「決して感情的にならない、怒らない」、「相談があったその日に話し合い、解決策を一緒に考える」、「トラブルが起きると無用なうわさ話が社内に広がるので、正確な情報と早期解決が大切だ」と語ってくれた。障がいのある人と一緒に働いて、障がいだけにとらわれず「人」として接していくと、成長している姿や、本人が家族を大切にしていることなどがわかったという。その思いは、丸和のホームページに掲載されているウェブマガジンにおける、平野さんのコメントにも表れている。「彼らは日々の仕事をこなしていくなかで目標を見つけ、単純作業だけでなく、パソコン上のシステム操作など高度な知識や技術を習得し、生産事業部の中核をになっており、とても頼れる存在です」本社工場は、リネンサプライ事業を展開する中心的工場である。工場見学が始まった時間は夕方近くで、明日の朝搬送するリネン類のトラックへの積み込みが始まっていた。インタビューに応じてくれた3人がいる部門を工程順に見学した。私は、クリーニングについて、商店街のなかにある家族が経営するクリーニング店をイメージしていたが、工場見学を始めると同時にすべて覆くえされた。トラックで搬入された大量のリネン類を機械が読み取って分類し、巨大な洗濯機群がそれらを洗浄し、洗濯後のしわ伸ばしと乾燥がすんだリネン類はベルトコンベアーで工場内を移動し、最後の仕上げが行われる。その人と機械が織りなす光景に圧倒された。高畑さん、山田さん、橋本さんは、インタビューのときと働いているときとでは違う表情を見せ、その一生懸命に働く姿から、人としての「誇り」が感じられた。社内見学の終わりに、社会福祉法人桃  ら     つが社内見学平ひ野の豊ゆさんにたか働く広場 2022.11工場内には、大型の乾燥機や洗濯機が立ち並ぶ生産事業部係長の平野豊さん24

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