働く広場2022年11月号
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に作業棟を新設し、作業は萌木の会の就労継続支援B型事業所に委託している。北海道産のおが粉などでつくられた菌床ブロックは、2回の収穫後、萌木の会所有の畑で肥料として再利用されているそうだ。 椎茸事業部では、知的障害のある8人と聴覚障害のある3人、内部障害のある1人の従業員が、シルバー人材センターの高齢者12人とともに働いている。さっそく栽培ハウスを見学させてもらった。7段の棚に菌床ブロックがびっしり並ぶなか、椎茸の間引きが行われていた。作業中の1人、櫻さ田だ啓ひさん(53歳)は、勤続27年になるベテランだ。道内の特別支援学校を卒業後、木工会社を経て福祉施設で内職などをしていた櫻田さんは、くらろし阿あ部べ浩ひ道みさんは、テルベ設立時からかかちろねた5「テルベでは毎日みんなと会話しながら仕事ができるのがうれしいです。体力を使う作業も多いのですが、持病の頭痛や腰痛にも気をつけながら、定年ぐらいまで元気に働き続けられるよう、がんばりたいです」と話す。櫻田さんたちを指導するシニア社員のわり、定年後のいまは再雇用の社員として働いている。職場では「本人の得意・不得意をよく見ながら、一番力を発揮しやすい方法で作業できるよう工夫しています。ほかに気をつけているのは、全員に公平に仕事を分担させることです。仕事内容の違いなどをめぐって悩まないよう、一人ひとりへの声かけも大事にしています」という。収穫された椎茸を選別・包装するのは本館内の作業フロアだ。大量の椎茸に一つずつ専用リングをあててサイズを測り、壁に貼ってあるポスターの写真を参考にしながら3段階の品質ごとに分けていく。包装された商品を、手早く出荷用のかごに詰めていたのは、椎茸事業部のアシスタントマネジャーを務める米よ田た二ふ無むさん(46歳)。以前は別の会社に勤めていたが、心臓の病気で内部障害となり、2015年にテルベに入社。すでに聴覚障害のある同僚3人がいたため、指導する立場として手話を覚える必要があり、「北見市の手話講座なども受けて、簡単な会話はできるようになりました」と笑顔で話す。日ごろ現場で指示するときは、全員が理解できるようわかりやすい言葉遣いを意識しているという。最近うれしいこともあったそうだ。勤続10年の女性従業員が、エア噴射機で椎茸をきれいにする作業を「やってみたいです」と申し出てきた。米田さんは「むずかしいかもしれないと思っていたので「自分ができるようになれば」椎茸の選別などが行われる作業フロア椎茸事業部で指導にあたる阿部浩道さん椎茸を出荷用のかごに詰める米田さん椎茸事業部で働く櫻田啓さん椎茸の間引きを行う櫻田さん椎茸事業部アシスタントマネジャーの米田二無さん

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