働く広場2022年12月号
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【コーヒー豆加工】専門業者に依頼したでつくっている。その一人、山や田だ太た一いさん(22歳)は、特別支援学校での職場実習を経て2017年に入社。作業服の洗濯や部品洗浄の業務などを行っていたが、窯業スタートと同時に担当になった。仕事内容について聞くと「すごく楽しいです。やりがいを感じます」と即答してくれた。山田さんは手先の器用さが認められ、今年の地方アビリンピック宮崎大会の縫製に初挑戦し、金賞を受賞した。旭化成アビリティ専用の焙ば煎せ豆を使い、ミル作業からドリップパック加工、袋詰めまで1日200袋を手がける。グループ会社の社名入りデザインラベルを貼り、ノベルティグッズとして使ってもらうそうだ。「一度注文してくれたグループ会社から好評で、少しずつ販路拡大中です」と工藤さん。窯業とコーヒー豆加工は、営業所から車で5分ほどの作業所で行われている。洗濯やシュレッダー業務も含め、障がいのある従業員16人で柔軟に担当を変えながら進めている。 旭コ化ロ成ナア禍ビをリテきィっでかはけコロにナ禍でも感染防止対策を十分に行ったうえで原則、在宅勤務を導入しなかった。「感染者はごく少数にとどまりクラスターもありませんでした」と工藤さん。「基礎疾患などのある人について職場全体がよく理解し、各自が感染予防に努力してくれていました。いろいろな人がいる職場での、互いの理解と支え合いの企業文化は大事だなと実感しています」一方で、東京をはじめとする都市部にあるグループ会社では在宅勤務が増えたことから、代わりに請求書や伝票の発行処理業務を旭化成アビリティが請け負うことになり、それが大きな一歩になったという。今後は延岡営業所をマザー機能の拠点に、同じ業務を複数の営業所で行えるよう移管作業も進めている。押本さんが話す。「5営業所が連携して、緊急時のバックアップも含め、グループ会社からいつでも安心して業務を委託してもらえる体制を整えているところです」28年度ゴールの経営目標「10年後のありたい姿に向けて」を策定した。押本さんが説明する。「もともと3年ごとの計画も立てていましたが、短いですよね。毎月の経営会議でも目先の数字の話になりがちでした。むしろ『10年先にどんな状態だったらよいか』を視野に、そこから3年ごとの目標を考えてみる。すると私たちもワクワクしながら、多少の冒険もできるのではないかと思います」こうして決まったゴールが「社員一人ひとりが夢と誇りを持ち、アビリティを取り巻く全ての人達と共にハッピーになろう」だ。あるべき姿と現状とのギャップを議論しながら、人・仕事・組織・文化・認知・支援・売上の7項目で四つずつ、計28個の目標をつくった。旭化成アビリティの今後について、押本さんは次のように語ってくれた。「厚生労働省が力を入れている障がい者雇用の『質の向上』は、私たちも同感です。本来はグループ全体で追求すべきですが、まず旭化成アビリティとして、引き続き挑戦し続け実績を重ねていくつもりです。障がいのある人もない人も同じ職場で働きながら、結果としてチームの仕事の質を上げる。それが一人ひとりの活躍の場も広げ、グループ会社や社会に貢献しながら、自己効力感を高められる環境をつくっていくことにつながるのだと考えています」「 旭10化年成ア後ビのリあテりィはた2い0姿1に9年向、け2て0」いんまち9ドリップパックの袋詰め作業粘土板を切り出す山田太一さん小皿の成形作業の様子

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