働く広場2022年12月号
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佐川急便株式会社を中核としたSGホールディングスグループの一員として、物流に特化した人材サービスを展開している「SGフィルダー株式会社」。パートナー社員と呼ぶ契約社員が1万8282人(2022〈令和4〉年9月30日現在)在籍し、おもに、全国で200カ所以上ある佐川急便の物流拠点における仕分けなどの軽作業を請け負っています。同社では2021年に、障害のある従業員だけではなく、女性や高齢者の活躍推進、LGBTQの受入れ・理解促進など、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進するための専門のチームとして、人事部に「D&I推進課」を設置。障害者雇用促進の取組みとしては、社内全体の意識の向上に向けた勉強会の企画や運営などを行っています。D&I推進課係長の香■川■朋■美■さんは、次のように話します。 ■■   「障害者雇用に力を入れるようになった時期は、D&I推進課が設置される前の2018(平成30)年までさかのぼります。2011年の創業からそれまでは、事業の拡大にともない障害のある従業員の人数が増えていたものの、拠点ごとの対応だったため、社内全体で統率がとれず、法定雇用率にもあと少しのところで届かない状況が続いていました。その状況を打開するため、まずは2018年に人事部の主導で各拠点での業務を整理し、障害のある従業員に適した『業務の切り出し』に取り組むなど、物理的な環境を整備しました。物流の拠点というと、労働環境として危険な場所もあり、一般的には障害のある人に適した業務が少ないのではないかというイメージがあると思います。しかし、一つひとつの環境や業務内容をあらためて見ていくと、安全性の確保などに配慮したうえで、障害のある従業員が従事できる業務が多数あることがわかりました」同時に、障害のある従業員の就業をサポートするため、200カ所以上の拠点それぞれに、業務などの相談窓口となる「障がい者担当」という担当者を配置しました。このような取組みが成果をあげ、聴覚障害のある人や知的障害のある人をはじめ、障害のある従専門チーム「D&I推進課」「D&I推進課」が中心となり障害者雇用促進をバックアップ★中央障害者雇用情報センター 今号32ページ「掲示板」でご紹介しています。 https://www.jeed.go.jp/disability/employer/employer05.html ※ SGホールディングスグループの各社が、多様な人材が活躍するための取組みや、D&I推進を加速させたポイントをプレゼンテーションし、業績向上や風土改革に貢献したチームを表彰するイベント。障害者雇用に関する取組みが評価されて受賞した。人事部D&I推進課係長の香川朋美さん。臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラー、企業在籍型ジョブコーチの資格を持つ◆事業内容 ◆従業員数(2022年9月30日現在)◆実績労働者派遣事業、有料職業紹介事業、アウトソーシング事業など正社員 1265人パートナー社員 1万8282人(うち障害のある社員305人 :身体133人、精神・発達78人、知的94人)・2021年 「大阪府障がい者サポートカンパニー優良企業」・ 2022年 「SGホールディングスグループダイバーシティアワード2021(※)」グランプリ など【取材先プロフィール】働く広場 2022.12 障害のある社員が働きやすく定着しやすい職場となるためには、社内全体の支援体制づくりがポイントとなります。当連載の第2回は、「SGフィルダー株式会社」の取組みを取材。全国にある拠点に対し、本社の担当部署がさまざまなサポートをすることで、障害者雇用の成果をあげている同社の事例を紹介します。監修:中央障害者雇用情報センター(★)SGフィルダー株式会社(東京都江東区)10第2回第2回〜社内全体の支援体制づくり〜〜社内全体の支援体制づくり〜クローズクローズアップアップ職場内の支援体制の課題と対応職場内の支援体制の課題と対応

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