働く広場2022年12月号
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まと一人だ。那須さんは、大学で健聴者と一緒に映像表現をドラマやバラエティ、ニュースなどの番組制作を手がける「株式会社TBSスパークル」(以下、「TBSスパークル」)は、2019(平成31)年、旧グループ会社11社を吸収合併し、企業規模が急激に拡大したため障害者の雇用が急務となった。そこで同社では、当機構が運営する「東京障害者職業センター」に協力を依頼。職場適応援助者(ジョブコーチ)による定着支援や業務の切り出しなどのサポートを受け、雇用の拡大を図った。現在、TBSスパークルでは、障害のある社員21人が活躍しており、ろう者の那な須す元も紀きさん(24歳)も、その学び、2020(令和2)年、新卒採用として同社に入社。現在は人事部において、定年退職式のチーフを務めており、過去には情報番組お天気コーナーの手話アドバイザーなどを担当した。また、社内向けSNSで配信される映像コンテンツで、手話講座や聴覚障害者の取組みを伝える「手話スタ!」の制作を担当しており、この日の収録では、デフリンピック選手の山や田だ真ま樹きさんの活動を伝えた。那須さんは今後、「当事者目線でマイノリティとマジョリティの差を埋める映像コンテンツをつくっていくことが目標」だと話す。TBSスパークルでは、当機構の障害者雇用支援人材ネットワーク事業「障害者雇用管理サポーター」(※)から、聴覚障害者の雇用管理に関する助言を受けている。また、東京障害者職業センターで開催された企業担当者を対象とする「雇用管理サポート講習会」に、人事担当者が講師として登壇し、取組みの紹介などを行った。この講習会は、企業の障害者雇用の担当者などを対象に定期的に開催されており、先行企業の実例を知り、参加企業同士が情報交換できる場となっている。※詳しくは当機構ホームページをご覧ください https://shienjinzai.jeed.go.jp障害者雇用管理サポーター(左)とのカウンセリングの様子毎月、月末に定年退職式が行われる。そこで交付される辞令を印刷する那須元紀さん社内でのコミュニケーションは、ブギーボードでの筆談やチャットアプリが活用されている働く広場 2022.12TBSスパークル16

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