働く広場2022年12月号
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内藤さんは仕事を続けていくうえで、「相手を敬うこと」、「あいさつすること」、「任された仕事を最後までやり切ること」を心がけているそうで、将来について「これをやりたいという目標がいまはないのですが、目の前の仕事をしっかりと遂行して、ここで働き続けたいです」と決意表明のように力強く話してくれた。次に日東精工本社で、人事総務部部長の布■川■貴■英■さんにお話をうかがった。今年で設立84年を迎える会社です。おもな事業内容は工業用ファスナー(ネジやネジ部品)の製造、自動組立機の製造、計測・検査機器の製造です。2020年からは医療用機器の取り扱いも始めました。連結の子会社が国内15社、海外に21社あります。グループ全体の従業員数は約2000人です。「日東精工S■WIMMY株式会社」を2019年9月に設立し、2020年1月に認定されました。本社と合わせ、2022年6月1日時点の障害者雇用率は2・6%で、日東精工が10人、特例子会社が7人です。障害種別は、精神障害のある従業員が4人、知的障害のある従業員が5人、身体障害のある従業員が8人です。間には、レポートを書いてもらうなど交換日記のような形で、1カ月間は人事担当者とやり取りを行います。しかし、現場に配属されてから正社員登用(入社半年後)までの間は、人事総務部と疎遠になってしまいます。その期間をフォローするためのツールとして、2021年の新入社員(10人)からはSPISを導入しました。日々の生活リズムや心配事についてなどを入力する項目があり、何かあれば相談できる体制を取っています。障害者雇用セミナーでSPISを用いた事例報告をしているのを聞いて、「新入社員に活かせるのではないか?」と思い、提案したそうです。期間としては、正社員になるまでの約5カ月間、SPISでやり取りをします。ですが、新入社員の不安軽減につながったと思います。配属先で新しい上司との職場生活が始まるなかで、入社前からかかわっている人事担当者とつながっていることが、安心感に結びついたようです。今年の新入社員(18人)には任意での導入となりました。半数の社員がSPISの利用を希望し、9月現在で利用しているのは4人。仕事が忙しくなり、よい意味で後回しになっているケースもあるようです。の資格を持った担当者が、会社の携帯電話のSMSを使ってメンタル不調者とメッセージのやり取りを行っていました。が、メンタル不調者が職場の上長などに直接発信することができれば、不調のサインが早めにキャッチできるのではないかと考えました。本人が同意した場合に、SPISを使って、看護師の担当者と職場担当者がSPISで情報を共有していくイメージです。しかし今年度に導入したばかりで、まだ実際に使った例はありません。今後役立つことでしょう。続いて、ダイバーシティ推進を目ざし2019年9月に設立された特例子会社の日東精工SWIMMY株式会社を訪問し、代表取締役社長の檀■野■佳■子■さんにも■■■■■ ■■■  新入社員とメンタル不調者にもSPISを導入日東精工SWIMMY株式会社ー御社の概要について教えてください。布川:創業は1938(昭和13)年2月、ー障害者雇用率は?布川:特例子会社の認定取得を前提としたーSPISを新入社員の方にも導入されているそうですね。布川:入社して最初に行う集合研修の期ーどなたが提案されたのでしょうか?布川:当時の人事課長です。迫田さんがー実際に導入してみていかがでしたか?布川:正直、人事担当者の負担はあったのーメンタル不調者に対してもSPISを導入されるとうかがっています。布川:これまでは労務課衛生室で看護師人事総務部部長の布川貴英さん日東精工株式会社本社働く広場 2022.1224

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