働く広場2022年12月号
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いまはネーム用の刺しゅう機操作を覚えているところだ。もう1人は炭す田た大だ介すさん(23歳)。特別支援学校2、3年生時に職場実習に参加し、2017年に入社した。いくつかの業務を経験し、手の器用さを見込まれ縫製担当になった。その年に全国アビリンピックへの出場を果たし、4回目となる2021年の第41回全国アビリンピックで金賞を獲得した。今後の抱負について炭田さんが話す。「覚えていない操作や不安な部分もありますが、そばで教えてくれる北村先輩を目標に、いずれは1人でも自信を持って縫えるよう上達していきたいです」旭化成アビリティではアビリンピックへの参加を積極的にうながし、延岡営業所だけでも毎年30人ほどが挑戦する。社長の押本さんは「アビリンピックは個人の能力開発の重要な場ととらえています。社内でも互いに切磋琢磨し、支え合いながら成長できる機会になっていますね」という。工藤さんも「アビリンピックで優秀な成績を収めた者が出ると『関連の仕事を頼めるのではないか』と期待されますし、私たちも顧客開拓のモチベーションにつながります」と話す。 延受岡験営・業受所講では手、続精き神障代が行いのある従業員も50人以上が在籍し活躍している。その1人、オフィスサービス部オフィスサービス課の木き村む慎し太た郎ろさん(38歳)は2020年に入社した。「以前は県外に住み、自身の障がいを明かさないクローズド就労でしたが、人間関係などで悩み退職しました。障がい者雇用に力を入れている企業を探し、旭化成アビリティ入社と同時に引っ越してきました」面接時には自分の特性として「ものごとの段取りや見通しを立てること、円滑なコミュニケーションが苦手」と伝えたそうだ。「いまは職場で配慮してもらえ、よい人たちに囲まれて働きやすいです」と慎太郎さん。担当は、グループ会社の社員が必要と村む進し二じさん(51歳)によると、慎太郎さんする各種資格の受験・受講手続き代行業務だ。月平均400件ほどの受験申込みに合わせ、要件の確認や書類の準備などを一手に引き受ける。「いまは自分の業務だけで精いっぱいですが、いずれは職場のだれかをサポートできる立場になりたいと考えています」と語ってくれた。オフィスサービス課の課長を務める木きはスケジュールを立てることはできるが、実施することを忘れてしまうことがあるため、「慎重な性格の同僚と一緒に進めることでミスを防いでいます。何人かと試し、いまのペアに落ち着きました」という。その同僚には聴覚障がいがある。2人は簡単な会話は口もとで理解し合い、込み入った内容は筆談で十分にできるそうだ。進二さん自身も障がいがある。20歳のころに交通事故で両足を切断し義足となった。その後は陶芸を仕事にしていたが、加齢とともに力作業への不安を感じ、思い切って旭化成アビリティに転職したという。「さまざまな業務を経験しましたが、体力的に無理のないよう常に配慮してもらえるので安心です」 こ係れ長まとでし旭化て成部ア下ビをリ支ティえでるは、国のんらうんらいみけ6オフィスサービス課課長の木村進二さん(左)と木村慎太郎さん(右)慎太郎さんは、資格試験などの手続きを担当しているパソコン運搬用バッグを縫製する炭田さん作業服のすそ上げを行う北村さん

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