働く広場2023年1月号
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うプリンターの紙の補充、教室のチョークの補充、シュレッダー作業などを手分けして行っている。担当作業は毎日、1時限ごとに変わるシフト制で、事務所内にあるホワイトボードの当番表に掲示される。鳥井さんが話す。「当番表を見て自分の担当を確認し、それぞれ自主的に動いています。作業そのものは私よりもよほどベテランですから、新しく入ってきた後輩にも彼らが仕事を教えてくれています」ごみ回収作業の様子を見せてもらった。キャンパス内に点在する各棟内の各階の廊下には、4種類の分別ごみ箱(燃やすごみ、プラスチック、ビン・カン・ペットボトル、雑がみ)が置いてある。大きめの袋がセットされたカートを事業所内から押してきた業務スタッフは、①箱のなかのごみ袋の中からごみを移しかえる、②袋の底に敷かれた水分吸収用の古新聞が汚れていたら取りかえる、③袋についた汚れは雑巾でふき取る。袋はなるべく再利用し、相当汚れた場合のみ取りかえるそうだ。ごみ箱自体の汚れも雑巾でふきあげる。一つひとつ、ていねいな作業に驚かされた。毎回、原則一人から二人で1棟あたり平均15地点を回る。クレオテックと分担し、屋外広場も含め計30カ所以上を担当しているという。広いキャンパス内の場所や経路を覚えるだけでたいへんそうだが、徳永さんによると「最初は地図や建物平面図を含めた業務マニュアルを見ながら作業します。地図を覚えるのが苦手な人には、いくつか目印となる写真を示して『ここで右に曲がる』などと覚えてもらいます。2~3カ月ほどでマニュアルなしで回れるようになります」という。業務スタッフたちはカートを押して作業所に戻ると、プラスチック以外のごみ箱にプラスチックがまぎれ込んでいないか、あらためて手作業で仕分け直していく。京都市では事業者におけるごみの分別が条例で厳しく定められ、少しでもほかの物が混じっていると回収してくれないと徳永さんはいう。「キャンパス内のごみ箱では分別しきれていないのが現状ですが、業務スタッフはまぎらわしいプラスチックなどの違いも瞬時に区別できるようになっていて、私も脱帽するほどです」また、大学から出る機密書類の一部のシュレッダー作業も請け負っている。そのまま業者に引き取ってもらうと処分費がかかるが、シュレッダーにかけて資源ごみとして出せば少しの収益になるからだ。ちなみに夏休みなど学生の長期休暇期間はごみの回収量がぐっと減るため、出勤者も減らし、お盆と合わせて夏期休暇を取れるようにしている。 て互いいねにい確に認ごみと回提収案作を業しをしなてがいらた、業務スタッフの八や木ぎ尚し子こさん(45歳)に話を聞いた。八木さんは2016年、立命館ぷらす設立前に同大学人事課で採用された初期メンバーの1人。それまでの20年以上、就労継続支援B型事業所でパンづくりなどをしていたという。「ここでの作業を覚えるのはたいへんでしたが、新しい仕事をできることが大きな喜びでした。ごみ回収作業などを時間内に終えるのはいまも苦労しますが、毎日ここに通えることが、なによりうれしいです」休憩時間には、同僚たちと芸能人やゲームの話をするのが楽しみだが、「たまに私のいい方がよくないことがあって、ょうごみを回収し、袋の汚れをふき取る八木さん業務スタッフの八木尚子さん9

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