働く広場2023年1月号
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「デスクワークより軽作業が合っている」川か祐ゆ子こさん。元々はクレオテックの社員ケンカになってこじれたときは業務支援員さんに相談します。頼りがいがあって、いろいろ話を聞いてもらえます」と明かしてくれた。それに対して「個々の特性からくるちょっとした衝突もありますが、業務スタッフ同士で解決することも多く、そこはすばらしいなと感じています」と話してくれたのは、業務支援員を務める諸もとして衣笠キャンパスの管理業務に従事し、今春に同社から出向してきた。クレオテック総務課勤務のころに障害者を雇用している業者と清掃業務でかかわった経験があるが、立命館ぷらすで業務スタッフと一緒に働くようになってから、気づいたことがあるという。「作業について以前と違う方法を提示すると、『いままでとは異なりますが、それでよろしいですか』と事前に確認してくれるので、とても進めやすいと感じました。私も一方的な指示ではなく『ここは変えたほうがいいと思うけど、どう?』と提案するようにしています」と諸川さん。職場では、注意深く見守りながら心がけていることもある。「ちょっとした業務内容の変更があったとき、情報の上書きが苦手な人は、しばらくすると元通りになってしまうので、根気強く伝え続けるようにしています」キャンパス内に散在する桜並木のそばの一角では、業務スタッフ3人がほうきで落ち葉などのはき掃除をしていた。鳥井さんによると、「落ち葉清掃は9月ごろから毎日行っています。ピークになると、はいた先から葉っぱが落ちるので、『後ろはふり返らない。前だけを向いてはき続ける』ことにしています。逆に春から夏は除草・散水作業に追われますね。キャンパスはとても広いので、ほかの清掃業者とエリアを分担しています」とのことだ。はき掃除をしていた1人、大お澤さ莞か司じさん(27歳)は2018年から働いている。京都府内にある大学に入学時、自閉スペクトラム症と診断され、学生支援センターのサポートを受けながら社会学などを学んだ。しかし、就職活動はうまくいかず、卒業後にアルバイトなどを転々としたそうだ。その後、就労移行支援事業所を経由して立命館ぷらすに入社した。自身の特性について、「一つのことに集中しすぎてほかおわんうわろのことを忘れてしまうことと、考えごとをしているうちに体が動かなくなってしまうことです」と説明したうえで、「緊張が続くデスクワークよりも、体を動かす軽作業のほうが自分に合っていると感じています」という。たまに作業中のうっかりミスはあるが、同僚に指摘してもらいながらうまくいっているそうだ。一方で、「除草作業できれいに草を引き抜いたり、ごみを正確に仕分けたりするのは、自分は得意かもしれないです」と話してくれた。徳永さんたちも、大澤さんの実直な働きぶりに感心し、期待を寄せている。本を読むのが好きな大澤さんは、職場にも分厚い世界史関連の本を持ってきて、休憩時間に読んでいるそうだ。 衣コ笠ロ事ナ業禍所をでは機2に0業2務1年見春直かしら、建物の清掃も請け負い始めている。徳永さんによると、きっかけはコロナ禍だったそうだ。「オンライン授業で学生が来ないためキャンパス内のごみ回収作業がほぼなくなり、約2カ月間の全日休業と、その後キャンパス内をはき掃除する大澤さん業務スタッフの大澤莞司さん業務支援員の諸川祐子さん10

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