働く広場2023年1月号
2/36

(文:一般社団法人岡山障害者文化芸術協会 荒木岳志)(きらぼしアートセンター)画材:厚紙、油性ペン、水彩絵の具/サイズ:790mm×1090mm協力:一般社団法人岡山障害者文化芸術協会 厚紙に黒の油性ペンで下絵を描いた。 11年間、自宅で飼っていたウサギが8月に息を引きとった。最期は自分の腕のなかで看取り、眠るようにして旅立ったという。思い出すとかわいそうで、1カ月は涙が出て、泣いていたそうだ。 ウサギも新しい世界で幸せになってほしいと思い、それを絵にしたのが「命 新たなる旅立ち」。学問と知恵の象徴のフクロウに生まれ変わり、未来へ飛び立つ姿を描いた。下絵に1週間、水彩で色つけに1週間。デザイン力と鮮やかな色彩、グラデーションの表現力が発揮され、完成度の高い作品に仕上がっている。福島 綾美(ふくしま あやみ) 1989(平成元)年生まれ、岡山県倉敷市在住。 幼稚園のとき折り紙に熱中し、蓮の花や箱を色紙1枚で折っていた。小学校では絵を描き、花や食卓の風景画などで賞をもらう。県立高校で美術の先生にデッサンを習う。卒業後に発達障害があることがわかり、治療を受けはじめる。 就労継続支援A型事業所で働き、2022(令和4)年から一般社団法人岡山障害者文化芸術協会「アート&ジョブセンター」の就労移行支援事業所を利用、アート班で絵画に取り組んでいる。丸、四角などのフォルムを組み合わせた抽象画や、黒を基調にした心象風景など、多彩な作品を生んでいる。同協会は病院の廊下や待合室などに絵画を展示するホスピタルアートを展開しており、彼女の作品は、岡山市、倉敷市、笠岡市内の病院のほか、岡山市北区幸町の「きらぼしアートセンター」で鑑賞できる。福島 綾美命 新たなる旅立ち

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る