働く広場2023年1月号
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ll 3確なトップコミットメントのもと、2014年に頭取を委員長とする「ダイバーシティ推進委員会」を、2017年にはグループCEOを委員長とするSMFG同委員会を発足させ、毎年度トップ主導でダイバーシティ推進に関する方針策定・進捗状況などを議論しています。当初より取り組んでいる育児・介護との両立支援や女性キャリア支援に加え、2015年以降は働き方改革、LGBT(※2)の理解促進や障がい者の活躍、健康経営にも力を入れています。2020(令和2)年には、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ組織「T■heV■a■■u■ab■■e ました。――河渕さん自身が障がいのある従業員とかかわりを持つようになったのはいつですか?河渕 2016年の人事部研修所着任時に手がけた、東京五輪・パラ五輪に向けたSMBCグループ所属の障がい者アスリートの応援500」(※3)に加盟し企画が最初です。当時グループ内には、アスリート採用でSMBC日興証券株式会社に入社した従業員のほか、株式会社SMBC信託銀行や、SMBCの特例子会社であるSMBCグリーンサービス株式会社(以下、「グリーンサービス」)にも世界大会の代表選手に選出される従業員が在籍していました。私は企画担当者として、イベントや食事会などを通してアスリートのみなさんの人となりや日ごろから感じていることを、肌感覚で知ることができました。特に印象的だったのは、セミナーの狙いについて議論した際、「困難を乗り越えていかに力を発揮するか」という案に対し、「障がいは生まれながらのもので、日常生活の一部となっているから、一度も困難だと感じたことはない」とフィードバックいただいたことです。それまでは、あらゆる場面で気を遣っていましたが、自分の勝手な基準・思い込みが根底にある「過剰な配慮」や「考えの押しつけ」をするのではなく、「何が相手にとって自然なのか」を考えるようになり、接し方も変わりました。競技の応援にもあちこち出向き、いまもアスリートたちと個人的な交流が続いています。頭の中で考えていたことを言語化して議論したことにより、お互いに気づきがあったと感じています。――SMBCの障がい者雇用については特例子会社「SMBCグリーンサービス株式会社」が大きな役割をになっているようですね。2021年の東京五輪・パラ五輪を機に変化特例子会社からSMBCへの出向グループ所属の障がい者アスリートが全国の支店を回り、障がいについて考えてもらう機会をつくっている(写真提供:株式会社三井住友フィナンシャルグループ)※2 LGBT: セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称で、Lesbian・レズビアン(女性同性愛者)、Gay・ゲイ(男性同性愛者)、Bisexual・バイセクシュアル(両性愛者)、Transgender・トランスジェンダー(心と体の性が異なる人)の頭文字をつなげた略語※3 The Valuable 500: 障がいのある人が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革をビジネスリーダーが起こすことを目的に、2019年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した国際的な企業ネットワーク。加盟企業は500社超、そのうち日本企業は約50社働く広場 2023.1

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