働く広場2023年1月号
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■■木■全■■将■さんを迎え、企画グループおよびダイ     4河渕 旧住友銀行時代の1990年に設立されたグリーンサービスですが、いまでは全600人、うち障がいのある従業員が460人という規模に成長しました。「銀行の重要なバックオフィス」として不可欠な存在になり、グリーンサービスはもはや「障がいのある従業員が在籍する特別な会社」というくくりではないと考えています。以前、頭取がグリーンサービス本社を訪問した際、「ここはまさにダイバーシティ&インクルージョンが実践されている場である」と感銘を受け、「本店の従業員にも感じてほしい」と行内に発信しました。そこで始まったのが新たな人事交流です。グリーンサービスからSMBCに、これまで計9人が管理部・事務統括部・品質管理部などの複数部署へ出向しています。人事部でも2019年から2年間、バーシティ推進室で勤務してもらいました。全拠点向けの人事規程照会窓口として頼られる存在となり、働き方改革関連のデータ分析業務にも積極的に取り組むなど、チャレンジ精神と真摯な姿勢がとても印象的でした。銀行への出向期間中は、グリーンサービスの就業支援カウンセラーが面談を毎月実施して本人のキャリア展望などを聴き取り、意識の変化を客観的にフィードバックいただきました。一方通行ではなく、カウンセラーのアドバイスもふまえて多面的に業務アサイン・キャリア支援計画を立てることができ、感謝しています。また、2022年11月まで大阪本店の管理部に出向していた梅■■内■■瑛■■都■さんは、行内に届いた郵便物の使用済み切手を認定NPO法人へ寄付して途上国の子どもたちへのワクチン支援をする社会貢献に資する企画を発案し、管理部メンバーが協力して東西4本部ビルに切手回収箱の設置が実現しました。全員がそれぞれの持ち場で影響力を発揮し、一緒に働いた期間は私たちにとって何物にも代えがたいものです。――グループ全体として、障がい者の活躍に向けた理解を広めていくために、どのような工夫や取組みをされていますか。河渕 全国に拠点がある金融機関では、インフラ面で障がいのある従業員と一緒に働く環境が整いにくい部署も少なくありません。部署によらず障がいについて考える機会や接点を持ってもらうため、グループ所属の障がい者アスリートの方々が全従業員向けのセミナーやイベントに登壇したり、全国の各支店を回り座談会を開催したりしています。私たちが目ざす共生社会の実現に向けて、従業員が家族や友人知人とも経験を共有することで、社会全体へと意識が広がっていくことも期待して企画しています。またSMBCの各店舗では、障がいのあるお客さまや高齢のお客さまに安心して来店していただくためのユニバーサルデザイン化を進めていますが、「ユニバーサルマナー」の浸透を目的とした研修も行っています。知識習得と、リアルなコミュニケーションの両方の機会を持てる人が増えたらよいなと思います。――現在ダイバーシティ推進室で力を入れて知識とリアルなコミュニケーション力を発揮できる働き方のオプションが必要働く広場 2023.1

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