働く広場2023年1月号
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木■全■■将■■■いる取組みについて教えてください。河渕 いまもっとも力を入れているのが、真のインクルージョンに向けた取組みです。人材が多様化しても、その方々が活躍できる土壌が整っていなければ、組織の力の最大化には至らないと感じています。大きな柱は、働き方にかかわる環境づくりです。従来の日本の大企業の人事管理システムは、一律の制度で効率的に最大の成果を出すという世界観に基づいていた面もありますが、外部環境・ライフスタイルの変化に加え、仕事と育児・介護・治療などとの両立や、多様な就業観やキャリア志向を持つ人材が増えてきています。そのなかで、決められた制度に個人をあてはめるのではなく、いかに融通をきかせて個人が最大限に力を発揮できるかに焦点を当てて、ダイバーシティ経営の土台を強化することが、成長戦略であると考えています。――ダイバーシティ&インクルージョンを進めていくうえで大事なことは何だと思われますか。河渕 バーシティのなかには、私も入っているのだ」ということを、忘れてはいけないということです。別の世界のように切り出して考えるのではなく、自分もそのなかの一人として、ダイバーシティを〝自分ごと〟として考えられるような組織にしていきたいと考えています。実際に私自身も、これまでさまざまな形で 5  特に最近強く感じているのは、「ダイマイノリティの立場を感じてきました。例えば中国に赴任したときは日本人というマイノリティでしたが、一方でその職場では管理職の9割が女性でした。自分がいつどんな立場になるかはわかりません。立場が変わればマジョリティにもマイノリティにもなるのですね。多様性のなかに、つねに自分もいるのだという感覚でいれば、その人の属性よりも、お互いがどのような考え方を持っているかに自然と焦点が当たると感じています。「ダイバーシティのなかには私も入っている」SMBCに出向経験があるSMBCグリーンサービス株式会社さんより働く広場 2023.1(出向先では)一人ひとりの問題点に対する会社全体の当事者意識が高く、建設的でポジティブな発言が多い職場で働けたことが、よい経験になりました。10年先の会社の在り方を考え、上下関係にかかわらず、気づいた点を自由に発信し、自分の思いや感じたことを遠慮なく素直に伝え合う職場風土はとても刺激になったと感じています。この経験をいまの職場で活かしていきたいと思います。Leaders Talk

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