働く広場2023年1月号
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大学のキャンパスが拠点となっている特例子会社就労支援機関への訪問休暇もPOINT123立命館大学など2大学、4中学校・高等学校、1小学校を運営する「学校法人立命館」(京都府)は、2016(平成28)年に子会社「株式会社立命館ぷらす」(以下、「立命館ぷらす」)を設立し、2017年に特例子会社の認定を受けた。立命館大学の衣き笠がキャンパス(京都府)を拠点に、滋賀県草津市と大阪府茨い木き市にある同大学のキャンパスにも事業所を構え、おもに清掃や植栽美化、事務作業などを行っている。2022(令和4)年11月1日現在で従業員は47人、うち障害のある従業員(以下、「業務スタッフ」)は39人(知的障害27人、精神障害12人)。グループ3社の障害者雇用率は2・91%(2022年6月1日現在)だという。立命館大学の職員として出向し、20ばら18年から代表取締役を務める徳と永な寿と老ろさんに話をうかがった。「2015年に『大阪いばらきキャンパス』がオープンしたのを機に、大学の人事部内に清掃部門をつくって本格的な障害者雇用を始めました。そこで組み立てた業務をモデルに、2016年から『びわこ・くさつ』と『衣笠』の両キャンパスの事業所でも業務をスタートしました」もともと立命館大学内の警備・清掃・保守管理業務などは子会社の「株式会社クレオテック」(以下、「クレオテック」)が担当しており、その業務の一部を立命館ぷらすが請け負う形となったそうだ。立命館ぷらすでは、業務スタッフの採用にあたり、採用前に2~3回、計3週間程度の実習を行っている。その後の選考試験の結果で採用となると、3カ月から半年間トライアル雇用を実施。勤続3年目からは全員が無期雇用に切り替わる。そして、定年60歳、65歳までの再雇用という制度になっている。週休2日制、実働1日7時間、月給制で、賞与は年に2回支給される。年次有給休暇は入社1年目から10日取得できるほか、各自が登録している就労支援機関で面談などをするための訪問休暇が月1日、必要に応じて月1日の通院休暇や感染症罹患休暇(年1回5日以内)の制度もある。職場側は、外部カウンセラーとして臨床心理士や産業医と契約し、定期的にアドバイスを受けている。徳永さんは「職場で体調不良になった従業員の受診や予防接種などを大学の保健センターでできるのも、キャンパス内に事業所があることのよい点です」と説明する。各事業所には業務支援員が2人ずつ配置され、月1回、業務スタッフと業務支援員のマンツーマンの面談が行われている。就労支援機関からの面談報告をふまえ、仕事や生活についてざっくばらんに話す場となっているそうだ。業務支援員の1人で衣笠事業所長も務める鳥と井い眞ま木きり7さぬくがしう代表取締役の徳永寿老さん業務支援員で衣笠事業所長の鳥井眞木さん働く広場 2023.1キャンパス内のごみ回収・分別を柱に、植栽美化や建物清掃など業務拡大京都府の研修制度なども活用し、個々のスキル向上を図る大学のボランティア実習やリサイクル研究に向けた連携も

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